第849話 福の気持ち
文字数 399文字
淋しがり屋の福である。
今日は家人もぼくも部屋にいるので、福はなんとなく興奮して、眠れない様子である。
玄関を開けっ放しにしてあるが、昼間は多くの人間の活動する気配が福を外に行かせない。玄関のドアの所で、じっと「伏せ」の格好をしている。
玄関にいることに飽きると、福は部屋に入ってきて、キッチンのテーブルの上に乗ってご飯をカリカリ食べはじめる。
たまに、ご飯を食べず、テーブルの上にお座りして、パソコンに向かうぼくの背後から、じっとぼくを凝視し続けている。
視線を感じて振り向くと、テーブルぎりぎりまでぼくの近くに来て、じっとお座りしてこっちを黙って見続けている。
まっすぐな視線。
ぼくは、笑って、福を撫でる。すると福は、テーブルを降りて、また玄関のほうへ行き、じっと伏せの格好をして、外(マンションの廊下)を見ている。
福は、えらいと思う。自分が弱いことを知っている。だから、外へ行かないのだ。
今日は家人もぼくも部屋にいるので、福はなんとなく興奮して、眠れない様子である。
玄関を開けっ放しにしてあるが、昼間は多くの人間の活動する気配が福を外に行かせない。玄関のドアの所で、じっと「伏せ」の格好をしている。
玄関にいることに飽きると、福は部屋に入ってきて、キッチンのテーブルの上に乗ってご飯をカリカリ食べはじめる。
たまに、ご飯を食べず、テーブルの上にお座りして、パソコンに向かうぼくの背後から、じっとぼくを凝視し続けている。
視線を感じて振り向くと、テーブルぎりぎりまでぼくの近くに来て、じっとお座りしてこっちを黙って見続けている。
まっすぐな視線。
ぼくは、笑って、福を撫でる。すると福は、テーブルを降りて、また玄関のほうへ行き、じっと伏せの格好をして、外(マンションの廊下)を見ている。
福は、えらいと思う。自分が弱いことを知っている。だから、外へ行かないのだ。