第452話 期間従業員日記(57)

文字数 553文字

 ぼくは今まで、鋳造課、第2エンジン製造課にいたことがあるので、そのとき一緒に働いた正社員の人たちと、よく食堂でスレ違う。
 そして、笑顔で、何か話しかけられ、ちょっとだけ話し、笑い合う。これは、ほんとうにいい。
 よく声をかけてくれる人たちがいてくれて、ほんとうにありがたいとおもう。
 社交儀礼かもしれないけれど、「また(うちの職場に)来て下さいよ、かめさん」とか言われると、嬉しくて、心底からありがたいと思うし、そう言ってくれる人たちと出会えたことが、ほんとうにありがたい。
 これは、なにものにも、代え難い。

 最近、もっぱら「不良みたいだよ」と笑われながら、声をかけられる。
 お盆休み前に染めた時は、ほのかに茶色だった髪の毛が、今や、何とも妙な色になっているせいである。
 古い木造の家の、明るめの柱みたいな色になっているらしい。そこに、どういうわけかキラキラした光沢があるらしいのだ。しかしもう1ヵ月以上、手を加えていないし、自分ではよくわからない。ただ、目につく色らしい。
 もう、こうなったら、とことん気味の悪い色にしてやろうかと思ったりしている。

 しかし食堂。ぼくは、カラダの栄養補給をしているだけではなく、ココロのエネルギーも充填させてもらっている思いがする。
 ありがとう、としか、言えない。心から。
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