第424話 フクの顔
文字数 709文字
フクの顔が好きである。フクの色を構成しているのは、白と、ピンクのみ。
目のまわりは、細いピンクで縁取られていて、そこから白い毛が、波打つように自然に、外へ外へと向かっている。
最近、フクの耳が大きくなった気がする。(福耳、ってやつかい)
耳の中はピンクなのだけど、白い毛が内側から、神々しいように、外へ外へと伸びている。
じっと見ていると、もしかしてコイツは、もう何百年も生きてきて、この世のことをずっと静視し続けている生きものなのではないか、と思ったりする。
両目の上には、白い眉毛が、それぞれ4、5本ずつ、伸びている。口の両サイドにも、白い髭。両サイドだけかと思いきや、下アゴにも2、3本、伸びてたりする。
ピンク色の鼻には、たまに鼻くそがついている。よくわからない。
だが顔だけ見ていると、かなりの貴公子である。美猫であると思う。
フクはぼくのことを何だと思っているのだろう。ぼくが寝室で寝ていると、フクも一定の距離を置いて寝ている。けっしてぼくに露骨に甘えたりしない。でも、一定の距離を置いて、そばにいる。
ぼくが風呂に入ると、フクは風呂場の近くの玄関マットに伏せている。ぼくがダイニングキッチンのパソコンに向かうと、やはり一定の距離を置いて、ぼくのそばにいたりする。
この「一定の距離」が、なかなか悪くない。この距離のあいだに、何かがあるような気がしたりする。
しかし、いくらそれがシゴトだとはいえ、よくそんなに寝ることができるなぁと思う。今フクはキャットタワーの上で、顔をこちらに向けながら眠っている。真ん丸の目が、線になって閉じられている。そう、寝ている時のフクの顔も、実はかなり可愛い寝顔なのである。
目のまわりは、細いピンクで縁取られていて、そこから白い毛が、波打つように自然に、外へ外へと向かっている。
最近、フクの耳が大きくなった気がする。(福耳、ってやつかい)
耳の中はピンクなのだけど、白い毛が内側から、神々しいように、外へ外へと伸びている。
じっと見ていると、もしかしてコイツは、もう何百年も生きてきて、この世のことをずっと静視し続けている生きものなのではないか、と思ったりする。
両目の上には、白い眉毛が、それぞれ4、5本ずつ、伸びている。口の両サイドにも、白い髭。両サイドだけかと思いきや、下アゴにも2、3本、伸びてたりする。
ピンク色の鼻には、たまに鼻くそがついている。よくわからない。
だが顔だけ見ていると、かなりの貴公子である。美猫であると思う。
フクはぼくのことを何だと思っているのだろう。ぼくが寝室で寝ていると、フクも一定の距離を置いて寝ている。けっしてぼくに露骨に甘えたりしない。でも、一定の距離を置いて、そばにいる。
ぼくが風呂に入ると、フクは風呂場の近くの玄関マットに伏せている。ぼくがダイニングキッチンのパソコンに向かうと、やはり一定の距離を置いて、ぼくのそばにいたりする。
この「一定の距離」が、なかなか悪くない。この距離のあいだに、何かがあるような気がしたりする。
しかし、いくらそれがシゴトだとはいえ、よくそんなに寝ることができるなぁと思う。今フクはキャットタワーの上で、顔をこちらに向けながら眠っている。真ん丸の目が、線になって閉じられている。そう、寝ている時のフクの顔も、実はかなり可愛い寝顔なのである。