第275話 有給休暇

文字数 1,384文字

 本日、やっと「洗たく槽クリーナー」で洗たく槽を綺麗にできた(はず)。
 そう、洗たく槽の汚れが原因と思われる、何か黒っぽい小さなモノが、洗濯した衣類に、よく付着し始めていたのだ。(もう5年もクリーナーせずに使い続けてきた洗濯機だもんナ)
 クリーナーは、2ヶ月に1回やるといいらしい。

 天気も快晴。自転車で銀行へ行って家賃の振り込み、郵便局に行って養育費の送金を済ませる。
 本屋に寄って、ルソーの「孤独な散歩者の夢想」、大江健三郎の「死者の奢り・飼育」(ともに新潮文庫)を購入。
 映画で見た「皆月」も「泣ける文庫本フェア」みたいなコーナーの一角にあった。パラパラめくってみたけど、さほど呼んでいなかった。「博士の愛した数式」の山口洋子も、いっぱい著作があった。外国で映画化されてる作品もあって、パラパラ。
 きっとルソーや大江より、すぐに読める。きっといい作品なんだろうと思う。でも買えなかった。

 キャットフードと爪とぎを買いに行く途中、大きな交差点で信号待ち。警官がふたり、歩道に立っていた。イヤな予感。
 案の定、「防犯登録の確認をさせて頂きたいんですが…」と来た。
「あのさ、先月、先々月だったかも、やったよ。なんでまたやるの。」
「すみません、当番なので…。申し訳ない。」
 当番なんてそっちの都合だろう。
「お名前は?」
「かめです」
 ぼくの自転車に貼られた防犯登録のシールの番号を無線で読み上げ、警官は確認をとった。
「はい、どうもありがとうございます」
「はい、どうも」

 見れば、信号待ちしているおじさんやお兄さんに、警官は絶え間なく防犯登録確認をやっていた。
 ぼくみたいに、ゴネた態度をとる人はいなかった。みんな従順なんだナ…。(しかし主婦みたいな婦人には、その確認をとっていなかった。なんでだ?)

 こないだも、うちのすぐ横の信号のない交差点で、パトカーが「そこの車、止まって下さい」みたいな放送して、車を止めさせていた。見れば、どこにでもいる人の良さそうなおばさん運転手であったり、会社の名前が横に書かれている仕事用の車だった。
 一時停止を怠ったとか停止線をちょい過ぎたとか、ともかく「たわいのない理由」なのは明白である。
 わずか5、6分のうちに、パトカーは2台の罪の無い乗用車を止めさせ、何かキップを切っていた。
 5、6分も経っていたのか? いや、ぼくがすぐ近くの病院から帰る途中に見たのだから、3分くらいだ。
 2台目を見たのは、ぼくが4階の階段を上っている時だった。
 よっぽど下りていって、「点数稼ぎもいい加減にしたらどうですか。」とイチャモンをつけたくなったが、頭がくらくらしていたのでやめた。

 しかしほんとうに腹が立つ。警察なんか要らない社会にならないものか。

 今日の話に戻ります。

 夕ご飯は、男の料理の代名詞的「カレー」。エスビー、ハウス、グリコの3種類のルーを混ぜてつくった。みんな、辛口。
 家人が仕事から帰宅。フキゲンである。なぜ不機嫌なのか。職場でイヤなことがあったらしい。
 家にまで持ち込むなよナ…。
 不機嫌は確実に伝染し、ぼくも不機嫌になる。せっかくカレーつくったのに…。

 たまに、「今、別れれば、傷も浅いぞ」と思う。
 価値観、考え方、感じ方、180度、みごとに違うのだ。
 なんで一緒にいるのだろう?と考えてしまう。
 弱さだよ、とぼくの中で声がする。
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