第57話 ミュージカルの情熱

文字数 351文字

 観に行ったことはないけれど、東京キッドブラザースのミュージカル音楽を聴いている。
 よく聴くごとに、味があるどころか、時代をこえた人間の声が、強く心に入ってくる。

 1960年代なのだろうか。
 ベトナム戦争だとか、日本では安保反対だとか、よく分からないけれども、何か時代が、ほんとに動いていたような気配、空気が。

 今も、きっと動いているのだろうが、どうにも、動き方が、奇異だ。

 なんでこんなヨノナカになってしまったのだろう。
 なんでこんなジブンになってしまったのか、というべきか。

 ただ、失いたくない。
 ラヴェルのボレロに見た、あの根拠なんかない熱さ。

 普遍性なんか知らない。
 でも、感じるだけでいい。
「芝居をやってる時が、ほんとの自分。日常生活が、私の芝居。」

 大きな声で、はっきりと、口にしていこう。
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