第203話 ビール雑感

文字数 544文字

 はじめてビールを飲んだのが、中学の時。
 学校に行かず、まじめな不良だったぼくは、夜な夜な冷蔵庫から父の飲むキリン・ラガーの中瓶を取り出し、ぐびぐび飲みながら中島みゆきや吉田拓郎、ジョン・レノンなんかをLPレコードにあわせて歌っていた。
 たまに、サントリーの赤玉ワインも飲んだ。

 中学を卒業して働き始めた時も、キリンのラガーだった。
 大検を受検するために予備校に通い始めた時、ビア・ガーデンの生ビールの美味しさを知った。ついでにタバコも覚えた。

 村上春樹の影響でサントリービールを飲み始めたのが大学に入ってからである。
 モルツになる前のサントリービールは美味しかったような気がする。
 大学を辞めてから、ヱビスビールに走った。埼玉にある美術館に1ヵ月くらい住んでいた時、毎晩ご馳走になっていたからだ。これは紛れもなく美味しかった。
 それ以来、10年以上エビスビールを愛飲してきた。一番搾り、黒ラベル、と、たまに浮気はしたけれど。
 ギネスビールはちょっとやさしすぎた。コロナビールはよく覚えていない。

 そして今は。(ジルベール・ベコーか)
 キリン・クラシック・ラガーである。何故?
 おいしい思い出を飲んでいるのだろうか、ぼくは。

 でもこないだ飲んだイタリアのシャンパンも美味しかったんだよナ。
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