第811話 今夜は十五夜

文字数 327文字

 中秋の名月だそうだ。

「月を見ながら、きれいな女の人と旅館の部屋で晩酌をする」という積年の夢は、いまだ叶わずじまいである。
 現実にみる夢も大変だ。

 早朝、出勤する時に見る「金星」も好きである。
 明けの明星、かなり強く光を放っている。

 寝ている時にみる夢で、こないだおかしな夢を見た。
 福(飼い猫、オス)が、子どもを産んだのだ、5匹くらい。
「福、おまえ、去勢手術してるのに、なんで?」
 こないだ産んだのに、また産んだ、というシチュエーションだった。

 しかも福とまったく同じ、真っ白の子猫たちで、みんな同じ顔、同じ体格、同じ毛並み。首輪に名札でも付けないと、誰が誰だか分からない。
 しかし、可愛かった。

 今夜は、福とふたりで、月でも見ながら、晩酌しようかナ。
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