第748話 やっぱり会社はお金持ち

文字数 480文字

 お盆休み明け、今日なんか午前中、ただ座って「じん肺の恐ろしさ」を主題に置くDVDを見て、防塵マスク着用の重要性、決められたルールを守ることの大事さ等を、「連休明けで頭がボーッとする」と言う上司のもとで、ただ座って聞いていただけである。

 午後になっても、仕事なんかしていない。ただボーッと座っていただけである。
 これで日給1万円が払われるのだ。

 1円、円高になると、300億円以上損失する企業だと、今日明確に聞いたが、そんなことは、われら現場、シモジモには関係ない。
 毎週200人の期間従業員を受け入れるこの企業、今回、「鋳造課」に配属されたのは、ぼくを含む4人だけだった。3人とも、何回もここに来ている。初心者は、1人だけだった。

「もう、振り込まれてるでしょうねぇ」1人が言う。
 赴任手当、食事手当のことだ。
 赴任旅費は、実際よりも、かなり多めに支払われる。
 食事手当も、どういう根拠か、20.000円、支払われる。

 カネを稼ぐ。
 金をカセぐ。
 カネヲ・カセグ。
 上司も、そこで働く人々も。
 なーんも考えなくても、なにか考えていても。
 ただ、シゴトをすれば。
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