第58話 ツカレテル

文字数 1,149文字

 ぼくの職場には20人位の人たちがいるけれど、もちろんグループが、その中にはできている。
 私はけっこう寡黙なグループに属している。
 もうひとつのグループが、休憩中なんかによく話をしていて、その内容はよくわからないけれど、大体想像はついていて、じつにヒョーメン上のつきあいだな、というのが、聞こえてくる声やその雰囲気、顔ぶれから、わかった気になる。

 いかにもジンセイをナメてそうなひと、仲良しクラブ員を演じているひと、ゼッタイに心から笑っていないひと、みんなオレかもしれないけれど、そういうひとたちのいるグループに、ぼくは属せない。
 合わないとわかった気になったひととは、極力関わりたくない。

 だが、れいのS君と今日も一緒にメシを食っていて、(S君は休憩中、その私の関わりたくないグループの中にいるのだ)S君に言ってみた。
「よく彼らと話せるねー。オレは口もききたくないよ。なんで話せるの?」と。

S君はその端正な顔立ち(平井堅の目だけ大きくしたようなハンサムマンである)をくしゃっと笑わせて、
「いや、そうなんですけどね。沖縄の方言に、オチョクル、っていうのがあるんですけど、相手をバカにするとかいう意味じゃなくて、こう言ったらこの人はどういう返答をするんだろう、っていう、好奇心があるんですよ。その反応を見て、楽しんでるみたいな。」

 ─── オトナなのね、S君。
 ヒョーメン上、としか見えないつきあい、あなどるべからず。(でもあきらかに数人のひとびとは、内心で相手をバカにしくさっているのが見えるのだが)

 さて、今日はよき日であった。
 仕事をしていると、私は通路に近い場所で仕事をしているので、いろんな人がそばを通ったりする。
「かめさーん」と声をかけてきたその人は、前の職場でずいぶん笑わせてくれた人だった。久し振りに会った。
 何か言って、たぶん冗談だったと思うが、笑っていた。
 ぼくはよく聞こえなかったけど、その笑顔を見て、笑った。
 声を掛けてくださって、ありがとうございます。最敬礼。

 先日も、何年ぶりかで、仲良かった前の職場の人と会った。声をかけてくれなかったら、気づかなかった。一緒にメシを食う。
 食堂付近では、仲のよかった、前の職場の人と、よくバッタリ会ったりする。
 そのたびに声をかけ、声をかけられたりすると、それだけでとても嬉しくて、それだけでずいぶんパワーをいただいている。

 今日は、こんなところです。(筑紫哲也か。)

 コメント、トラックバックくださったかた、どうもありがとうございます。
 本日は、連日の寝不足に、やっと身体が文句をブーブーたれているので、このまま眠ってしまおうと思っています。やっぱり仕事はしんどいみたいです。
 明日の晩には、返信させていただきます。
 おやすみなさい。
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