第124話 ネガティブ、ポジティブ

文字数 1,159文字

 こんな言葉があること自体、「???」なんだけど、あるんだなぁ、と思った。
「かめさん、ネガティブ王ですね~」と笑ってくれたのが、大分県から来てくれたAさんだった。

 ネガティブ王。なかなか、よくない?
 むかしむかしはショーペンハウアーとかいって、それこそ「絶望こそが自然」(と私は解釈している)みたいな哲学者がいたものだった。
 私の大好きな作家、椎名麟三も「絶望の名人」だった。

 だいたいが、希望なんか無い、と思っているのだ、私は。
 何かうまくいっちゃったときがあったとしても、それは自然のこと。
 何かうまくいかなかったりするときも、それは自然なこと。
 そして後者のほうが多いのが、人生みたいなものではないか。

 だから私は別に「うまくいった」とか「うまくいかなかった」という目で物事を見ない。
 だからどうだっていうこともない。
 なんだか、自分の流れで流れているだけ。

 先日、このブログで「前向きなことを軽薄に言い放って人を励ます無責任さ」を書いた。
 たぶんそのことが原因で、私から離れていった人もいる。
 だって「前向きなことが書かれているブログ」がウケてるんだもん。

 でもね。私ゃ、デスペレートなことを書き続けるよ。
 ムリにじゃなくて、自然に。だからきっと前向きなことも、たまには書く。
 たださ。思うのはさ。ふっと独りぽっちになった時よ。
 淋しくて悲しい時。言ってしまえば、死にたくなるような時だよ。
 そんな時、「生きろ」なんて言えるか? オレ、言えないんだよなぁ。

 飲み会なんかでさ、楽しく飲んだつもりになって、でも気ぃ使っちゃって実は疲れちゃって、その帰り道さ。
 なんか虚しくなったりしない?
 そういうのがイヤなんだよなぁ。
 つまり、いつも「自分自身でいたい」つきあいをしたいんだな。相手も自分自身になってくれて。
 死にたくなったら、死にたい、って言ってくれていいんだよ。
 ムリに盛り上がろうとして疲れる自分を意識したなら、ムリに盛り上がらなくていいんだよ。
 そういうふうに、人と関係していきたいんだよな。

 だから私はきっとブログでグチも言うし、書きたくない時は何も書かない。
「前向きな」文章は多そうだし、そういうことが必要な人は、そこで。
 オレ、やっぱ足を地に着けてたいんだよな。
 たまに思うよ、ブログとか、手っ取り早い自己表現してる人が多いってのは、淋しい人が多いのかな、って。
 オレもか。

 いや、けっこう日常生活でいい人と巡り会えてるし、このまんまだし、そんな淋しくはないな。
 ただ、自分の文章みたいなもんが、どれだけ人に影響与えられるのか、ってのを試してるのかな、オレにとってのブログ。
 だから前向きをヨシとする風潮に逆行しちゃうかもしれないけど、ポジティブ(何だろね)、私の足が感じる地のままで、いきます。
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