第246話 猫語を話せるようになるには

文字数 705文字

 作家の村上春樹氏のエッセイによると、氏とその愛猫のミューズさんがふたりで昼寝をしていた時、ミューズさんがしゃべったそうである。
「だってそんなこと言ったって…。」
 ミューズさんが、はっきりそう言ったという。
 氏が、「ん?ミューズ、今何か言ったか?」と訊くと、ミューズさんは、おっと、バレちゃマズい、みたいな感じでゆっくり部屋を出て行ったという。
 氏は、夢ではなく、現実にミューズさんが「だってそんなこと言ったって…」とハッキリ口にしたのを聞いたという。

 研ナオコさんも愛猫がしゃべるのを聞いたことがあるらしい。

 これは、幻聴でも夢でもなく、現実に確かに起こりうることらしい。
 ぼくはまだフクがしゃべるのを聞いたことがないけれど、どうも飼い主とその猫が「ほんとうに意思の疎通がとれた関係になったとき」、猫語が人間の言葉になって飼い主に聞こえるようになるらしいのだ。

 そういわれると、なるほど、と納得してしまう。

 また猫は、「霊」なるものもよく見えるのだそうだ。
 よく猫が部屋の中で何もない宙をじっと見つめ続けたりする時、その目線の先には「霊」さんがいらっしゃるらしい。(フクの場合、たいてい小さな虫を見てるけど)

 空気の振動に敏感な猫だから、まぁ彼にしか見えないものもあるのだろう。
 できれば座敷童子さんあたりがいてくれて、フクと一緒に遊んでくれたらありがたいのだが。

 一緒に住み始めて2年になるが、まだフクがしゃべるのを聞いたことがない。
「ニャアン」「ゥオォ~ン」「ワォ~ン」ていどである。たまに、「ムニャムニャムニャ」と独り言を言っている。
 それだけでも、フクが云いたいことが伝わってくる感じがするんだけど。
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