第106話 考え方
文字数 326文字
「あなたのような人は、死んだほうがいいと思う。」
19歳位の頃、当時つきあっていた人から、電話で言われた。
もちろん、別れの頃である。
私は、そうかぁ、と、ただその言葉を受けていた。
それほどひどい仕打ちを、自分が彼女にしていたとは思えなかったし、ただ彼女はそう言いたかったんだろうなぁ、と、聞いていた。
あれから10年位たって、友人にその話をしてみた。
彼は、ちょっと笑って少し考えた後、「それは、やさしさだったんですかねぇ。」
私は彼の返答が意外だった。
「やさしさ、かぁ…。」
なるほど、そうか、やさしさだったんだ。
10年かかった。
彼女の言葉を、自分がほんとに受け容れることができるまでに。
考え方ひとつで、楽にも辛くにもなれる、この自由さよ。
19歳位の頃、当時つきあっていた人から、電話で言われた。
もちろん、別れの頃である。
私は、そうかぁ、と、ただその言葉を受けていた。
それほどひどい仕打ちを、自分が彼女にしていたとは思えなかったし、ただ彼女はそう言いたかったんだろうなぁ、と、聞いていた。
あれから10年位たって、友人にその話をしてみた。
彼は、ちょっと笑って少し考えた後、「それは、やさしさだったんですかねぇ。」
私は彼の返答が意外だった。
「やさしさ、かぁ…。」
なるほど、そうか、やさしさだったんだ。
10年かかった。
彼女の言葉を、自分がほんとに受け容れることができるまでに。
考え方ひとつで、楽にも辛くにもなれる、この自由さよ。