第430話 いや、でもね。

文字数 628文字

 前記のつづき。
 ヒトって、やっぱり変わるよ。いや、根本的なものは変わらないけど、ギャンブルをやめるとか、酒・タバコをやめるとか、日常的にしていたものが、何かの契機に、やめられる時がある。と思う。
 日常的にそのヒトがしていたことを、そのヒトがしなくなるというのは、それまでしていたことの代わりに、日常的に何かをし出すということだ。

 たとえば、それまで毎日アクセク働き続けたヒトが、仕事をやめて、毎日ぼーとする・ぼんやりする(同じか)とする。それだけでも、それまでアクセク日常を生きてきたヒトにしてみれば、それは今までの日常の代わりに、「し出した」ことである。
 その、「代わりにし出す」ことから、けっこうヒトって変わるように思う。

 そうして然るべき時間の中で、めぐる季節の中で、ああ、あの時、○○さんは、こうして欲しかったんだ、と、突然○○さんの気持ちが分かる瞬間があったりする。(ぼくなんか10年前に誰かに言われた言葉の意味が、10年経って、ある日突然分かったような気になる時が、けっこうある)

 つまり前記のK君も、自分が流した不良を発見してくれた人に、すみませんのひとことくらい、そのうち言ってくれるようになるのではないか、と思った。上からのモノ言いになってしまうけど、結局、それぞれのペースでトシを取り、そのときどきで、あんな自分もいてこんな自分もいて、その時期その時期で分かったり分からなかったり、する、ということだ。

 Good Luck , K君!
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み