第725話 暑い。

文字数 270文字

 部屋に西陽射す、午後4時。
 ワシャワシャワシャワシャ、クマゼミ。ジージージージー、アブラゼミ。
 まるで夏である。

 明日の午後には、ぼくは会社の寮に入り、月曜から3日間の「教育」を受ける。
「出社のご案内」のスケジュール表には「教育」と書いてあるけれど、実質は単なる入社手続きである。
 健康診断にうかるのか。今まで通り、同じ工場に配属され得るのか。
 不安といえば不安である。

 安定していないから、不安なのだろう。
 しかし、この不安定も、自分で選んでいる人生の中のものであるはずだから、なんとも、どうしようもないものである。
 このままイキマス。
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