第486話 秋はユーミン

文字数 591文字

 永ちゃん、大滝さん、スプリングスティーンの夏が終わって、今通勤途中に聴くのは、ユーミンばかりである。(結婚前の。)

 去年か一昨年、ユーミンがフィンランドあたりを旅行しているテレビを見た。
 あのあたりに、素晴らしい景色、湖と山があって、現地の人がひとり、木々をよけながら岩を登って景色の開ける場所に行く。その岩場あたりから、素晴らしい、だが、手つかずに、ただそこにあるだけの自然の景色というものに向かって、祈りを捧げるのだ。天然の、何かでつくった楽器を単調に鳴らしながら。

 ユーミン嬢は、その姿に涙ぐんでいた。見ていたぼくも涙ぐんでいた。
「何を祈っていたのですか」という問いに、男は「家族が健康であるように」とか答えていたと思う。

 またべつのテレビでは、ダンナの正隆氏とTV電話で会話をしていて、
「そうなったら、別れるしかない。」
 と、いとも自然に氏が言った時だった。
 ユーミン女史の顔つきが変わった。そこにいた、TV電話画面の彼女は、ミュージシャンでも旅する人でもない、ひとりの、完全な、可愛らしい女の人のように思えた。

 秋は、ユーミンがいい。下田逸郎は1年中いい。

 そういえば今日10月17日は、「カラオケ文化の日」であるそうだ。(何なのだろう?)
 来週は、久々にカラオケの予定が入っている。
 カラオケボックス「元気くん」で、ユーミンをいっぱい歌ってみるか。(なんか、哀しいネ)
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