第294話 期間従業員日記(36)

文字数 792文字

 風邪で突発で仕事を休む、というのは初めてである。
 今まで8年間、期間満了→1ヵ月位休養 → 再び復帰、などを繰り返してきたとはいえ、よくやってきたと思う。

 今日はムリである。頭が銀河系みたいだったし、鼻が滝みたいだし、身体が焚き火を終えた後みたいだった。
 くしゃみをすると、鼻水が飛び散り、立っていると鼻水が地面にポトリと落ちた。人間失格のような気になった。
 咳をしても、鼻水が飛び散る。(水撒き機かね、私は。)

 午前5時50分、会社の職場へ電話。
「はい」
「おはようございます。あ、Aさんですか?すいません、期間従業員でお世話になってるかめですけど、おはようございます」
「はい、おはよう」
「あの、完全に風邪を引いてしまいまして、今日はムリです、すいません、休ませてもらえますか」
「… ほんじゃ、ちゃんと病院行って。」
「はい、すいません、ありがとうございます」
 以上。

 でも木曜日は、ここら辺の医者はみんなお休みなのだ。
 月曜日に行って、肺炎の疑いをかけてくれたような医者からの薬を飲み続けている。
 それをまた飲んで、誰かからもらった草津温泉まんじゅうを6コ食べた。
 フクが「ニャア、ニャア」とぼくを見て言う。(「なんでいるんだよ、なんでいるんだよ」)

 寝床に行ってしばらく一緒に遊ぶ。いつのまにか寝て、目が覚めたらフクも寝ていた。
 昼は、「昔ながらの中華そば」。即席ラーメンに、卵をふたつ入れて煮て食べた。
 また薬を飲んで、ラーメンをすすり、鼻水の元となる水をぐびぐび飲む。汗。
 昨夜から何枚目になるのか、びしょびしょのTシャツを着替える。何枚あっても足りない。

 相変わらず頭の銀河系は消えてくれない。
 冷えた、おいしいビールでも飲んだら、1時間位はシッカリしそうだが。
 明日は、さすがに出勤しないとイヤな感じ。
 ビールでもひっかけてから仕事に行くか。

 7月中旬、夏風邪の昼下がり。
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