第690話 猫の草

文字数 516文字

 外は雨なので、家にいたかった。だが、「猫の草」(猫が食べる草)を買いに行きたかった。
 うちの猫はこれがとても大好きで、メインのキャットフードを食べた後、必ずデザートのように、この草をフシャフシャ食べる。
 けっこう痛むのが早い草で、2週間くらい前に買ったこの草も、だいぶヘタッてきていた。

 そもそも猫は毛づくろいが好きで、うちの猫も、毛づくろいには余念が無い。
 その際、「櫛」の役割を果たしている「舌」を通じて、毛を飲んでしまう。それが胃にたまると、健康上よろしくない。
 で、この草を食べることによって、胃が刺激され、胃にたまった毛が、吐き出されるらしい。
 しかし、うちの猫は、嘔吐しない。トイレで「ウンゴォ~、ウンゴォ~」と唸りながらうんちをしている時、いっしょに排泄されているようである。

 雨が小止みになった頃、家人と出掛ける。途中で雨風激しくなり、サンダルびしょびしょ、寒気も帯びながら徒歩20分、ホームセンターへ。1鉢、298円。
 同じような風雨の下、帰宅。
 キャット・キャッスルの上で寝ていた猫に、「ホレ」と差し出すと、「あっ♪」という感じで降りてきて、フシャフシャ食べ始めた。

 そして、何もなかったように、また猫は寝る。
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