第49話 タマタマの復活?

文字数 538文字

 わが家には1匹、猫がいるであるが、今年の1月の終わりに去勢手術をしたのである。
 男にとって、その存在意義も問われかねない、去勢手術。
 が、その手術によって小さくなっていた(ように見えた)タマタマが、最近になって、大きくなってきている(ように見える)。

 かれの言動に変化はない。
 毎日よく遊び、よく食べ、よく寝て、元気である。
 異性を求めるフシもない。淋しくないのかナ。

 だが、去勢後の猫のタマタマの大きさは、小さいままではないのだろうか?
 それとも、こやつは恐ろしく生命力の強いヤツで、おのれの子孫を残すまでは、何回去勢手術をしても、再生するのだろうか?

「手術、失敗だったんじゃないの」と家人は言う。
 それはないだろう。
 さしあたって、こやつにとって唯一の異性は、うちの家人である。
 家人がトイレに入っていると、こやつはそのドアの前で身をひそめて待っている。
 そして家人がトイレから出てくるやいなや、家人の足に飛びつくのだ。

「きゃあ~」
 予知できることとはいえ、猫の爪が家人の足に刺さるのである。
 それを見て、私は笑うのだ。
 そうしてわが家では、1日数回、家人の悲鳴がこだましているのだ。

 これも、タマタマの復活のなせるワザなのか。
 しかし、なんだかんだ可愛い猫なのである。
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