第129話 夏休み

文字数 1,142文字

 8月8日
 青春18きっぷで東京へ。片道6時間。
 板橋泊。

 9日、始発で柏へ。芳子、宝弓と1年振り?に会う。芳子、ホンダのフィットに乗っていた。
 那須高原に着いたのが10時位か。
 まずは美味しい蕎麦を食べる。宝弓がお茶をこぼした。

 蕎麦屋の近くのお店で、ジェンティー(芳子が18年飼っていた犬だ)に似た絵のポストカードがあったので、買う。
 そして茶臼岳。ロープウェイに乗って9合目。そこから、登山。
 気持ちよかった。1時間近くかけて山頂。
 私が小学生の頃、父と兄と3人で登った。
 曇りだったから霧がかっていたけれど、おかげでそんなに汗もかかなかった。

 そしてペンション「イマジン」へ。
 ジョン・レノンの「マザー」とかがかかっていた。
「TVチャンピオン」の「パン職人選手権」か何かでチャンピオンになっただけに、パンが美味しい。
 9000円代と安いペンションだが、ここはホンモノ。
 従業員もよくできていたし、単なるペンションとは規模が違う。

 夜、「ナイト・サファリパーク」へ。ホワイト・ライオンがいた。
 ゾウが、私たちの乗っているバスの窓に、鼻を突き出してエサを待っていた。
 シカのツノ。同乗していた女の子の集団がうるさかった。

 帰ってきてから、「イマジン」のレストランへ。
 ワイン。おつまみの、チーズ(これは美味しかった)とパンが、サービスで無料だった。
 ピアノを習っている宝弓が、そばのピアノに立てかかっていたビートルズの曲の譜面の本を読んでいた。

 芳子は、ずいぶん私と話をしてくれた。
 以前、宝弓に送った、今私が女の人と一緒に生活していること、猫もいること、芳子とは離婚したけれど、今もいい友達でいること…などを正直に書いた私の手紙を、芳子も読んだ。
 芳子は、怒った。
「宝弓に、かってにこんな手紙を送らないで下さい」

 半年位、メールのやりとりもなくなった。

 だが今年の3月の私の誕生日に、芳子からメールが来た。
「いつまでも怒っていてもつまらないので、、、誕生日、おめでとう」

 正直で、よかったのだと思おう。
 私のとりえ、正直さがなくなったら、私は私でなくなる。
 いろんなことを許してくれた、芳子に、、、「ありがとう」…

 翌日は、朝から雨。
 午後には晴れて、私たちは「リス園」へ。
 いまにもつぶれそうなリス園だった。

 柏に戻って回転寿司、カラオケ。
 宝弓の歌った「涙そうそう」はよかった。
 見れば、私と身長がほとんど変わらない。もう中学2年だもんな。

 11月に、ピアノの発表会がある。
 宝弓、きみのお父さんはだらしのない人間だけど、行けたら、行くね。
 今まで、父兄参観日も学校の運動会も、見に行ったこと、ないもんな。

 那須高原はよかった。
「イマジン」もよかった。
 また来年、行こうね。
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