第134話 サベツする上司

文字数 888文字

 V8エンジン応援期間が終わり、本来の職場であるV6のGRラインに、無事戻りました。 

 私は期間従業員という立場。雇用契約期間が終われば、会社ともおサラバ。
 でもネ。当たり前のようにキチンと仕事はしております。
 ところがどっこい。
 あるのですよ、やはりサベツが。

 私の働く職場、期間従業員が15人位。正社員が6、7人で成り立っています。
 もちろん正社員というなれば、解雇のないこの会社、もはや定年までの、ほとんど永久就職。
 だから「しょせんは期間が過ぎればサヨウナラ」の通りすがりのような期間従業員には、ツメタクあたる上司もいるわけです。

 直接、何か言いがかりをつけて来て、何かのヤツアタリみたいに怒鳴り散らす上司は、前の職場にいたけれど、今回の職場の上司はさらに知能犯。
 私や他の期間従業員がマジメに働いているところに、まず彼はやって来る。
 そして、そばで働く若めの正社員に話しかけ、えんえんと遊びの話をやってのけ、げらげら笑い、まるでマジメに働く期間従業員の神経を逆撫でするかのごとく、ずっとそこで立ち話をやってのけるのである。

 休憩時間に話せばいいものを、何ゆえ仕事中に?
 しかも私たち期間従業員には一言も話しかけずに、である。
 うるさいし、私の担当の仕事は、不良品を出したら即車両火災につながるので、要注意のところ。
 その横で、150円でジュースが飲み放題だの、オレがふたり分出すから300円だの、くだらん話をこれ見よがしにしてほしくないのである。はっきり言って「仕事してんだ、静かにしろ!」と私が怒鳴りそうになった。
 若めの社員も、話を合わせて笑っている。これ、一種のパワーハラスメント違うか?

 別の職場では、期間従業員には有給休暇を与えない上司がいた。
 さらには期間従業員をクチでいじめまくり、辞めさせることで、おそらくストレスを発散させる上司も現実にいると聞く。あな恐ろしい。

 期間従業員であれ派遣社員であれ正社員であれ、同じ「いいエンジンをつくる」仕事の目的は一緒なのだ。単なる雇用形態の違いだけで、それだけサベツができ得る人間が、上に立つ職場って、何だろう?
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