第357話 あさりちゃん
文字数 553文字
ピンポーン。はーい。
ぼくが出ると、お隣りさん。
「あさり、食べない?いっぱいもらっちゃって…」
「あ、はい、いいんですか、嬉しい。ありがとうございます」
ボールに入ったあさりを、うちのボールに移す。
「よかったら、もっともらわない?」
「えっ」
廊下に出ると、お隣りさんの玄関前に、お縁日の金魚すくいのプールの半分ほどの発泡スチロールの中で、あさりが潮をぴゅっぴゅっ吐き出している。
「うちの親戚が、漁業やってるの、吉良のほうでね。朝、獲れたのをいっぱい持ってきてくれて…」
「あ~、潮吹いてますね。イキがいいですねー」
「もっともらわない? ちょっと水洗いして冷凍にすれば、また火を通した時、パカッって開くから」
「あ、そうなんですか」
「あと(ボールに)半分くらい入れる?」
「そうですね、取ってきます」
ぼくが自分の家のボールを持って廊下に出ると、階下から知らない奥さんが上ってきて、やはりボールにあさりをすくっていた。向かい合ってヤンキー座りしながら、ぼくもすくう。
「なんか、お縁日みたいですね」
お隣りさんが、開けっ放しの玄関から誰かに電話をかけていた電話を終え、戻ってきた。
「どうもありがとうございました。いただきます」
早速、あさりをオリーブオイルで蒸し焼きにした。
潮、海水の香りと味がした。美味しかった。
ぼくが出ると、お隣りさん。
「あさり、食べない?いっぱいもらっちゃって…」
「あ、はい、いいんですか、嬉しい。ありがとうございます」
ボールに入ったあさりを、うちのボールに移す。
「よかったら、もっともらわない?」
「えっ」
廊下に出ると、お隣りさんの玄関前に、お縁日の金魚すくいのプールの半分ほどの発泡スチロールの中で、あさりが潮をぴゅっぴゅっ吐き出している。
「うちの親戚が、漁業やってるの、吉良のほうでね。朝、獲れたのをいっぱい持ってきてくれて…」
「あ~、潮吹いてますね。イキがいいですねー」
「もっともらわない? ちょっと水洗いして冷凍にすれば、また火を通した時、パカッって開くから」
「あ、そうなんですか」
「あと(ボールに)半分くらい入れる?」
「そうですね、取ってきます」
ぼくが自分の家のボールを持って廊下に出ると、階下から知らない奥さんが上ってきて、やはりボールにあさりをすくっていた。向かい合ってヤンキー座りしながら、ぼくもすくう。
「なんか、お縁日みたいですね」
お隣りさんが、開けっ放しの玄関から誰かに電話をかけていた電話を終え、戻ってきた。
「どうもありがとうございました。いただきます」
早速、あさりをオリーブオイルで蒸し焼きにした。
潮、海水の香りと味がした。美味しかった。