第673話 トシをとると

文字数 464文字

 プライドが高くなる、というのが、トシとった(ぼくもトシとってますが)人を見て、往々にして感じることである。
 ワカイ人の言うことを、「上から目線」で見下して聞いたり(ただ相手がワカイというだけで)。
 あるいは、とにかく「自分は正しい」というような、どこに根拠を置くのか分からない、妙な鎧を纏ってトシをとっている、年長者を、見かける。

 トシというのは、誰でもとるわけで、トシをとる以上、それなりに個人の歴史が出来上がるのは当然なわけで、それがどういう生き方であったにしても、「これが胸を張れる、リッパな生き方です」というのは、「無い」と思っている。

 一時期、「勝ち組」「負け組」とかいう言葉があったけれど(今もあるのか)、借り物の尺度で人との優劣を測ったところで、それが一体何だ、と感じざるを得ない。
 人が生きることに、勝ち負けなどという範疇は無い。

 ─── 自分は、ただ自分として生きて来ただけです。なんだか、それだけで精一杯でした。
 と、言い切れるような生き方を、していきたい。

 そうすることしかできないんだけど。(甘いな!)
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