第209話 雨の匂い、緑の匂い

文字数 289文字

春、なんでもない通りすがりの道。
誰かの家の軒先から香る、緑の匂い。
そこら辺の道端に生える、ありきたりの木。
これから発芽していく勢い。新緑への無心の本能。

これが、雨と交じる。
雨と、植物の、交じり合う匂い。
私は、弱い。くらくらと、根拠もなく涙ぐむ。

カレンダーを見れば、もう4月も終わり。
5月が終われば、あの梅雨の季節。紫陽花。

季節の変わり目。ハンパな気配。

この「ブログ」なるものを始めて、もうすぐ1年。
安直だよね。手っ取り早いね、自己表現。

私は、夢を食べるバクになって何年経つのだろう。
現実を生きるために必要な夢。
あの世とこの世。行ったり来たりのブランコ。

ゆらりゆらり、生きてます。
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