第308話 タバコ

文字数 632文字

 風邪を引いて2、3週間経つというのに、タバコは吸い続けている。
 この間、270円から290円に値上がりもした。ひと月、ぼくは約1万、タバコに投銭することになる。

 吐きそうになる咳もとうとう治らなかったので、明日、病院でレントゲンを撮られることになるだろう。
 はっきり言って、タバコは身体によくない。
 これは、吸っていて、実によく分かる。肺が、「吸ってくれるな」と言っているから。その訴えが、咳であり痰である。
 それでもぼくはタバコに火をつける。困ったものである。

 17の頃から吸い始めた。
 30くらいまでは、全然平気であった。身体が、まだまだ元気だったのだ。
 40近くなって、いよいよしっかり弱ってきたようである。
 ぼくは今まで大病を患ったことがない。ありがたいことなのだが、本気でありがたいとは思っていないようである。嘘つきだ。
 自分の身を、案じる年齢に来ているな、とは感じているのだが…。

 がん保険はもとより、こくみん共済にもなんとか保険にも入っていない。ここら辺が心配になってきている年頃である。
 まぁそういうものを否定して生きてきたわけだから、オトシマエはちゃんと自分でつけるのがスジである(?)。

 タバコは、いわば間接的な自殺である。
 吸わないほうがいいのだ、ガンになろうがなるまいが。
「タバコ吸うと、安心するのよね…」前の職場の女の人が、吸いながら言っていた。
 そんなに不安な日常を送っていたのだろうか。
 そしてぼくも…。(単なる依存症だよナ、これ)
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