第291話 白菜豚バラ鍋、ポン酢or柚子胡椒?

文字数 1,237文字

・11月29日 白菜豚バラ鍋、ポン酢or柚子胡椒?

最近、在庫管理にパソコンを導入した八百屋のおやっさんに、表計算ソフトでプルダウンメニューを作ってあげたら、えらく喜んでくれた。礼だといって特大の白菜と袋にいっぱいの蜜柑をくれたので、俺もえらく喜んだ。

うーん、とりあえず隣の肉屋で豚バラスライスでも買って帰るか。今夜は鍋にしよう。土鍋に白菜敷いて、豚バラ敷き詰めて、また白菜敷いて、豚バラ敷き詰めて。ちょっと塩して酒入れて。最後はまた白菜で蓋をする。

これ、簡単なわりに美味いんだよなぁ。

あ、ポン酢! 確か切れてたはず。酒屋さんで売ってたっけか。後で寄ろう。しかし、柚子胡椒という線も捨てがたい……。

うーん、困った。





・12月5日 屋根の上でピクニック気分

今日も昨日に続いて青空。いい天気。
洗濯物がよく乾いて、ありがたい。

枯葉もたくさん散るから、樋掃除の仕事が増えてありがたい。

屋根の上でポットのお茶を飲み、自作の梅かつおの握り飯を食べる。うーん、至福のひととき。

仕事があって、飯が美味くて……それだけで幸せな気がする俺って、ちょっと安上がりすぎるのかも。会社員の頃は、こんなこと考えもしなかったなぁ。

だけどあの頃、元妻の持たせてくれた弁当は美味かった。彩りよくて、栄養バランスも考えられてて。

……
……

ふう。昔のことを思い出してもしょうがないよな。弁当レシピ本でも買ってきて、俺も弁当男子、ならぬ、弁当オヤジを目指すべきだろうか。





・12月14日 チワワのちーちゃんお洋服

ジャストフィット。

それが何故だか哀しい、チワワのちーちゃんのお洋服。チワワは寒さに弱いから、この季節、毛糸の服を着せてやるのはいいと思う。思うんだけど。

それ、どっからどう見ても靴下に見えるんですが。どうなんですか、飼い主の伊吹山さん。

え? アメリカ旅行の土産? まあ、かの国には、日本にはない大きなサイズの靴下も売ってるでしょうね。だけど、そこまであからさまに靴下だと……。

ま、いいか。ちーちゃんは気にしてないようだ。





・12月22日 いつかの冬至・かぼちゃアタック

そういえば、今日は冬至。

一年で一番夜が長くて昼が短いんだよなー、ここは一発、縁起物のかぼちゃ食べなきゃなー、と思って商店街でかぼちゃコロッケを買ったらば。

かぼちゃがかぼちゃを呼んだのか。

古沢の奥さんにパンプキン・パイをもらい。
畑中の爺さんが亡き妻の遺したレシピ通りに作ったというかぼちゃの煮つけを分けてくれて。
秋吉さんがマッシュドかぼちゃのサラダを差し入れ、
江川の婆さんがかぼちゃのポタージュスープをタッパに入れて持たせてくれた。
平塚の旦那さんが作ったかぼちゃのきんとんはとても甘い。

かぼちゃ、嫌いでもなければそう好きでもない。

なのに。

かぼちゃ、かぼちゃ、かぼちゃだらけ。

冷蔵庫から溢れるこのかぼちゃたち、どうやって消費すればいいんだろう。
この時ばかりは、自分の住むコンクリート打ちっぱなしの部屋の底冷え冷気が頼もしいと思った。

思っただけだけど。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み