第306話 土筆料理は春の味

文字数 479文字

・4月14日  土筆料理は春の味

午前中、お得意さまの中井さんちで草むしりしてたら、「ご飯のおかずにでもしてね」と、タッパーに入れた土筆と卵のごま油炒めをもらった。

土筆か……三月の下旬頃だったっけ、中井さんに頼まれてさんざんハカマ取りをしたなぁ。スーパーの大袋ひとつ分のハカマ取りをするだけで、三時間掛ほどかったっけ……。

土筆を摘みに行くのは楽しいけど、ハカマ取りは大嫌いなの! と、中井さん、清々しいほど正直に開き直ってたなぁ。

いや、まあ。仕事だからさ、真面目にやったよ。ちょっと爪の中まで真っ黒になったけど。

ハカマを取った土筆は、しばらく水に晒して、軽く茹でてから冷凍保存するって言ってたな。そうすると、好きなときに春の味が楽しめるって。そっか、これがその時の土筆なんだな。

一旦帰って冷蔵庫に仕舞っておいた土筆料理を、軽く温めてから晩飯のおかずにしてみた。醤油ベースの味付けに、土筆のほろ苦い味がアクセントになって、意外に美味い。白いご飯に合う。

蕗の薹もそうだけど、ちょっと苦いのが春の味なのかな。その苦いのがクセになるっていうか。

うーん。ビールが欲しい。
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