第141話 師走、轢き逃げに遭う おまけ

文字数 659文字

ベッドから降りて足を踏み出し、あれ? と思った。
一昨日あたりはまだ痛みを引きずっていた足首が、今日はもう痛くない。

そういえば、事故に遭ってからもう二週間余り。医者の見立てどうり、治ったんだな。

俺は、つい、「ふふふ」と声に出して笑っていた。これで事故以来断らざるを得なかった犬の散歩や、子供の塾の送り迎えなんかの仕事も請けることが出来る。

顧客の皆さんは、俺の災難を知って、事故前に請けていた依頼をキャンセルさせていただいても、皆快くご了承くださった。ありがたいことだ。

よし。今日はまだもう少し様子を見て、また明日から頑張るぞ!

さーてと。本日の予定は、午前は江田さんちの留守宅の猫の世話と、午後からは宇賀神さんちのご隠居の碁の相手、それと、岡田のお婆さんのご機嫌伺いだ。今年から海外勤務になった息子さんから、老母への定期的な訪問とメールでの状況報告を頼まれてるんだ。

とりあえず、メシだ。

ふとカレンダーを見ると、なんとまあ、今日はもう冬至か。明日から夜より昼が長くなるんだな。でも、寒さはこれからが本番だからなぁ。

ああ、一年て、早い。

そうそう。お年よりには、風邪とインフルエンザに気をつけてもらわなくちゃ。宇賀神の爺さんや岡田の婆ちゃんも、インフルエンザの予防接種はもう受けたか聞いてみよう。


それにしても……。
今年も色々あったもんだ。来年の話をすると鬼に笑われるっていうけど、いいさ、そんなん。

来年も、地道に頑張るぞ!
おー!

なんたって、俺はののかのパパなんだからな。
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