五十五話 薬1
文字数 1,796文字
「千代さん」
「はいッ」
「ちょっと直治に用があるの。貴方には明日から三日間、休暇をとってほしいんだけれど、いいかしら?」
「わかりましたァ!」
「直治は仕事が終わったら私の部屋に来るように」
「・・・わかった」
なんとなく、ハードなプレイをさせられるんだろうなということは予想できた。しかしいちいち食事の席で言わなくてもいいのに。
夜、仕事を終えた俺は都の部屋のドアの前に立つ。ノックせずに入った。
「お、来た来た」
「今日はなにさせられるんだ?」
「ふっふっふー」
都は小さなシートを取り出した。
「美代から聞いてるでしょ? く、す、り」
「ああ・・・」
「『下準備』して挿れておいで」
俺はシートを受け取り、トイレに入る。
「ッチ、変態おじさんめ・・・」
トイレで『下準備』をし、風呂でシャワーを浴びてから座薬を挿入する。寝室に行くと、凶悪なペニスバンドを装着した都がベッドに腰掛けて本を読んでいた。
「そ、それ挿れんのか?」
「物足りなかったら申し訳ないじゃん?」
「嘘だろ・・・」
俺は都の横に座る。都は本を読み始めた。気恥ずかしくて堪らないので、俺は顔を逸らして薬が効くのを待った。
どくん、どくん。
「ん・・・」
身体が熱くなってきた。汗が滲む。乳首と男根がゆるゆる勃起し始めた。
「っふ、ふぅ・・・」
口を手でおさえる。尻の穴が疼いている。疼きはまるで百足が這っているかのような強烈なものになり、俺は座っていられなくなった。下半身を垂れさせる形でベッドに寝転がる。
「み、みやこ」
都は読んでいた本を閉じて、ローションをペニスバンドに塗りたくると、慣らさずに挿入した。
「ああああああッ!!」
一瞬、意識が飛んだ。目の前がチカチカする。
「ぐうっ!! ああッ!!」
前立腺をごりごりと擦り潰される。
「あンッ!! ああっ!!」
挿入される快楽、引き摺り出された時の排泄を上回る快楽。
「おオッ!! あッ!!」
やばい。馬鹿なガキがスイッチで遊んでいるみたいに意識が飛んで戻るを繰り返す。
意識が、
意識が保てない。
「・・・あぇっ?」
気付いたら体勢がかわっていて、俺は都の上でカクカク腰を振っていた。
「あっ、あぅ・・・」
「お、意識戻りました?」
「こしっ、とまらな、な、なんでっ・・・」
「そろそろやめたほうがいいかな。直治、我慢して抜いてごらん」
「う、う・・・」
全身に力を入れて、震える身体を持ち上げる。ずる、と少し抜けると、堪らなくなってまた腰を落としてしまった。
「こらこら」
都が起き上がり、俺の身体を押す。どすん、とベッドに倒れ込む。都は俺の尻からペニスバンドを抜いてしまった。
「も、もっと・・・もっとぉ・・・」
「駄目。おしまい」
「お、おねがいします・・・おねがいしますから・・・」
なにを言っているんだ、俺は。
また意識が遠のく。
次に目覚めたのは、腰の痛みからだった。
「うっ、いッてえ・・・」
ベッドの上だ。服は着ていない。身体は綺麗に拭われていた。かちゃかちゃとジャスミンの足音がして、間抜けな顔が俺を覗き込む。
「・・・見てんじゃねーよ」
ジャスミンがぺろっと俺の顔を舐めて去っていく。そして都を呼んで戻ってきた。
「おはよう、直治」
「・・・おはよう」
「身体は、」
「腰!」
都は叱られた子供のような顔をした。
「食事は千代さんに運んでもらいますので、身体が楽になるまで私の部屋でゆっくりお休みください・・・」
「仕事に戻れ」
「はい!」
結局、起き上がって動けるまでに四日かかった。座っていると腰が痛いので、朝食と昼食には参加せず事務室で軽食を摂り、なるべく立って仕事をする。久しぶりに談話室に行くと、いつも座っているソファーの前で立って腕を組んだ。
「おー、弟よ。生きてたか」
淳蔵が雑誌から目を離さず言う。
「雅、仕事の話をするから少し席を外してくれ」
「ジャスミンの散歩に行ってきていい?」
「いいぞ」
「やった! 行ってきまーす」
雅が談話室から出て行く。
「兄さん」
「きっも。なんだよ」
「二日後の宿泊客が帰ったら、次は兄さんの番だぞ」
淳蔵は雑誌から目を上げる。
「・・・どんな感じだったの?」
美代が聞いた。
「教えたら楽しみが半減するだろ」
「ちょっとだけ味見させろ」
「気付いたら涎垂れ流しながら自分から腰振ってた」
「お前が? やっば・・・」
「腹上死しないよう気を付けるんだな」
淳蔵は口元を手でおさえて俯き、美代は俺を睨みつけた。俺は痛む腰でひょこひょこ歩いて談話室をあとにした。
「はいッ」
「ちょっと直治に用があるの。貴方には明日から三日間、休暇をとってほしいんだけれど、いいかしら?」
「わかりましたァ!」
「直治は仕事が終わったら私の部屋に来るように」
「・・・わかった」
なんとなく、ハードなプレイをさせられるんだろうなということは予想できた。しかしいちいち食事の席で言わなくてもいいのに。
夜、仕事を終えた俺は都の部屋のドアの前に立つ。ノックせずに入った。
「お、来た来た」
「今日はなにさせられるんだ?」
「ふっふっふー」
都は小さなシートを取り出した。
「美代から聞いてるでしょ? く、す、り」
「ああ・・・」
「『下準備』して挿れておいで」
俺はシートを受け取り、トイレに入る。
「ッチ、変態おじさんめ・・・」
トイレで『下準備』をし、風呂でシャワーを浴びてから座薬を挿入する。寝室に行くと、凶悪なペニスバンドを装着した都がベッドに腰掛けて本を読んでいた。
「そ、それ挿れんのか?」
「物足りなかったら申し訳ないじゃん?」
「嘘だろ・・・」
俺は都の横に座る。都は本を読み始めた。気恥ずかしくて堪らないので、俺は顔を逸らして薬が効くのを待った。
どくん、どくん。
「ん・・・」
身体が熱くなってきた。汗が滲む。乳首と男根がゆるゆる勃起し始めた。
「っふ、ふぅ・・・」
口を手でおさえる。尻の穴が疼いている。疼きはまるで百足が這っているかのような強烈なものになり、俺は座っていられなくなった。下半身を垂れさせる形でベッドに寝転がる。
「み、みやこ」
都は読んでいた本を閉じて、ローションをペニスバンドに塗りたくると、慣らさずに挿入した。
「ああああああッ!!」
一瞬、意識が飛んだ。目の前がチカチカする。
「ぐうっ!! ああッ!!」
前立腺をごりごりと擦り潰される。
「あンッ!! ああっ!!」
挿入される快楽、引き摺り出された時の排泄を上回る快楽。
「おオッ!! あッ!!」
やばい。馬鹿なガキがスイッチで遊んでいるみたいに意識が飛んで戻るを繰り返す。
意識が、
意識が保てない。
「・・・あぇっ?」
気付いたら体勢がかわっていて、俺は都の上でカクカク腰を振っていた。
「あっ、あぅ・・・」
「お、意識戻りました?」
「こしっ、とまらな、な、なんでっ・・・」
「そろそろやめたほうがいいかな。直治、我慢して抜いてごらん」
「う、う・・・」
全身に力を入れて、震える身体を持ち上げる。ずる、と少し抜けると、堪らなくなってまた腰を落としてしまった。
「こらこら」
都が起き上がり、俺の身体を押す。どすん、とベッドに倒れ込む。都は俺の尻からペニスバンドを抜いてしまった。
「も、もっと・・・もっとぉ・・・」
「駄目。おしまい」
「お、おねがいします・・・おねがいしますから・・・」
なにを言っているんだ、俺は。
また意識が遠のく。
次に目覚めたのは、腰の痛みからだった。
「うっ、いッてえ・・・」
ベッドの上だ。服は着ていない。身体は綺麗に拭われていた。かちゃかちゃとジャスミンの足音がして、間抜けな顔が俺を覗き込む。
「・・・見てんじゃねーよ」
ジャスミンがぺろっと俺の顔を舐めて去っていく。そして都を呼んで戻ってきた。
「おはよう、直治」
「・・・おはよう」
「身体は、」
「腰!」
都は叱られた子供のような顔をした。
「食事は千代さんに運んでもらいますので、身体が楽になるまで私の部屋でゆっくりお休みください・・・」
「仕事に戻れ」
「はい!」
結局、起き上がって動けるまでに四日かかった。座っていると腰が痛いので、朝食と昼食には参加せず事務室で軽食を摂り、なるべく立って仕事をする。久しぶりに談話室に行くと、いつも座っているソファーの前で立って腕を組んだ。
「おー、弟よ。生きてたか」
淳蔵が雑誌から目を離さず言う。
「雅、仕事の話をするから少し席を外してくれ」
「ジャスミンの散歩に行ってきていい?」
「いいぞ」
「やった! 行ってきまーす」
雅が談話室から出て行く。
「兄さん」
「きっも。なんだよ」
「二日後の宿泊客が帰ったら、次は兄さんの番だぞ」
淳蔵は雑誌から目を上げる。
「・・・どんな感じだったの?」
美代が聞いた。
「教えたら楽しみが半減するだろ」
「ちょっとだけ味見させろ」
「気付いたら涎垂れ流しながら自分から腰振ってた」
「お前が? やっば・・・」
「腹上死しないよう気を付けるんだな」
淳蔵は口元を手でおさえて俯き、美代は俺を睨みつけた。俺は痛む腰でひょこひょこ歩いて談話室をあとにした。