百八十七話 変容する不変
文字数 1,805文字
『直治さん、お母さんに『お詫び』させてくださいな。なんでもしますよ』
暫くメッセージを見つめたあと、溜息を吐いてから返信した。
『今から行きます』
都の部屋。ノックせずに入って鍵をかける。
「話がある」
「だろうね」
「どうしていつも、ジャスミンの言うことを聞くんだ」
都は椅子から立ち上がり、俺の前に来ると、真っ直ぐに俺の目を見た。
「ジャスミンの言うこと、なんでも聞いているわけじゃないよ。どうしても嫌だと思ったら他になにか方法は無いのか考えて実行する。ただ、あの子にもわからないことはあるから、不確定な要素が介入してしまって、必ず良い結果を齎すとは限らない。それだけの話なんだよ」
「全知全能ではない・・・?」
「そんなものは存在しない」
「ジャスミンは、都に幸福と苦痛を繰り返し味わわせることが、愛情表現だと思ってるのか」
「そう。私が変容しつつも不変の存在であることを忘れさせたくないんだよ」
「矛盾してる」
「一条都は変容している。変容し続ければいつか別物になるはずだ。なのに、それは一条都である。一条都は不変の存在である、ってね」
「わからなくなってきた」
「この話に答えは無いよ。もうやめよう」
なんだか、とんでもないところに話が飛躍してしまった。
「・・・お詫びしてくれるんだったな?」
「そ、なんでもいいよ」
「服を着たまま、ベッドに寝転んでくれ」
都の、どこか挑発するような不敵な笑みが、一目見ただけで男の身体を蕩けさせるような笑みになる。二人で寝室に移動し、俺は服を脱ぎ、都の上に覆い被さった。
「なんでもいい、と言ったな?」
「・・・優しくしてね?」
俺は口角を吊り上げて笑うと、全身を蛇にかえた。
「わっ!」
服の中に潜り込んで、身体に巻き付く。
「フフッ、達磨屋から守ってくれた時に、『居心地が良かった』って言ってたもんね。癖になっちゃったの?」
『その通り』
「・・・パンツの中には入っちゃ駄目だよ」
『わかってる』
しなやかな手の指と足の指。桜貝のような爪が美しい。小さな手と足。肉付きの良い腕と脚。
「全身を犯されてるみたい・・・」
都は恥じらっていた。丸い肩、すべすべの胸元、細い腰、柔らかい腹。
「冷たくて、気持ち良い・・・」
臍に顔を突っ込むと、ぴくんっと身体が跳ねた。
「か、噛んだりしないでよ?」
ブラジャーの下に潜り込む。円を描くように乳房に巻き付き、身体を締め上げる。
「・・・むっつりすけべ」
パンツの上にも身体を這わせる。
「なんとか言いなさいよ・・・」
全身に、都を感じる。首に絡み付き、髪に絡み付き、耳の穴に舌を這わせる。
「な、なおじ・・・」
口の中に、顔を突っ込む。
「あぅ、え・・・」
どんどん身体を押し込む。蛇なんてモノで頬を膨らませている都を見ると、興奮しすぎてわけがわからなくなっていった。
「ん、んぅ、んぐ・・・」
ベッドの上は、蛇の山になっていた。狭くて薄暗い空間で、都と肌を密着させるのは、これ以上ない程気持ち良かった。
そういえば、昔。
寂しい夜に、都に膝枕をしてもらったことがある。肌触りの良い生地に包まれた柔らかい太腿と、しっとりとした甘いにおい。ふと、邪な考えが頭をよぎった。
スカートの中を覗いてみたい。
あわよくば、入ってみたい。
憧れの都を、神聖な都を、汚す行為だ。
今、俺は、蛇になって、都の服の下に潜り込み、肌に絡み付いて、全身を締め上げている。都の口の中は、熱くて、ぬるぬるしていて、うねっていて、気持ち良い。柔らかい舌に俺の舌を擦り付けると、都のくぐもった声が、少しずつ遠退いていった。
「・・・・・・・・・はぁ、あ」
気が付くと、俺は全身にびっしょりと汗を掻いて都に覆い被さっていた。仰向けの都は、顔だけを横に向けて、弱々しく震えている。どんな表情をしているのか、目元は前髪で隠れて見えなかった。
「み、都・・・」
名前を呼ばれて、ゆっくりとこちらを向く。都は微笑み、俺の頬に手を伸ばし、優しく撫でた。
「・・・フフッ、気持ち良かった?」
「凄く・・・」
「まだ『お詫び』には足りないと思うんだけど、どうかな?」
俺は頬を撫でる都の手を掴み、乳首に移動させる。都は、ギリッ、と音がしそうな程、強く抓み上げた。
「んああッ!!」
ぱっ、と指が離れていく。
「・・・『下準備』してくるよ」
痛いくらいガチガチに勃起している。触っただけで弾けそうだ。
「『都様、どうかお許しください』って言うまで犯してあげるよ」
「・・・フフッ。楽しみだ」
「ンフフ」
暫くメッセージを見つめたあと、溜息を吐いてから返信した。
『今から行きます』
都の部屋。ノックせずに入って鍵をかける。
「話がある」
「だろうね」
「どうしていつも、ジャスミンの言うことを聞くんだ」
都は椅子から立ち上がり、俺の前に来ると、真っ直ぐに俺の目を見た。
「ジャスミンの言うこと、なんでも聞いているわけじゃないよ。どうしても嫌だと思ったら他になにか方法は無いのか考えて実行する。ただ、あの子にもわからないことはあるから、不確定な要素が介入してしまって、必ず良い結果を齎すとは限らない。それだけの話なんだよ」
「全知全能ではない・・・?」
「そんなものは存在しない」
「ジャスミンは、都に幸福と苦痛を繰り返し味わわせることが、愛情表現だと思ってるのか」
「そう。私が変容しつつも不変の存在であることを忘れさせたくないんだよ」
「矛盾してる」
「一条都は変容している。変容し続ければいつか別物になるはずだ。なのに、それは一条都である。一条都は不変の存在である、ってね」
「わからなくなってきた」
「この話に答えは無いよ。もうやめよう」
なんだか、とんでもないところに話が飛躍してしまった。
「・・・お詫びしてくれるんだったな?」
「そ、なんでもいいよ」
「服を着たまま、ベッドに寝転んでくれ」
都の、どこか挑発するような不敵な笑みが、一目見ただけで男の身体を蕩けさせるような笑みになる。二人で寝室に移動し、俺は服を脱ぎ、都の上に覆い被さった。
「なんでもいい、と言ったな?」
「・・・優しくしてね?」
俺は口角を吊り上げて笑うと、全身を蛇にかえた。
「わっ!」
服の中に潜り込んで、身体に巻き付く。
「フフッ、達磨屋から守ってくれた時に、『居心地が良かった』って言ってたもんね。癖になっちゃったの?」
『その通り』
「・・・パンツの中には入っちゃ駄目だよ」
『わかってる』
しなやかな手の指と足の指。桜貝のような爪が美しい。小さな手と足。肉付きの良い腕と脚。
「全身を犯されてるみたい・・・」
都は恥じらっていた。丸い肩、すべすべの胸元、細い腰、柔らかい腹。
「冷たくて、気持ち良い・・・」
臍に顔を突っ込むと、ぴくんっと身体が跳ねた。
「か、噛んだりしないでよ?」
ブラジャーの下に潜り込む。円を描くように乳房に巻き付き、身体を締め上げる。
「・・・むっつりすけべ」
パンツの上にも身体を這わせる。
「なんとか言いなさいよ・・・」
全身に、都を感じる。首に絡み付き、髪に絡み付き、耳の穴に舌を這わせる。
「な、なおじ・・・」
口の中に、顔を突っ込む。
「あぅ、え・・・」
どんどん身体を押し込む。蛇なんてモノで頬を膨らませている都を見ると、興奮しすぎてわけがわからなくなっていった。
「ん、んぅ、んぐ・・・」
ベッドの上は、蛇の山になっていた。狭くて薄暗い空間で、都と肌を密着させるのは、これ以上ない程気持ち良かった。
そういえば、昔。
寂しい夜に、都に膝枕をしてもらったことがある。肌触りの良い生地に包まれた柔らかい太腿と、しっとりとした甘いにおい。ふと、邪な考えが頭をよぎった。
スカートの中を覗いてみたい。
あわよくば、入ってみたい。
憧れの都を、神聖な都を、汚す行為だ。
今、俺は、蛇になって、都の服の下に潜り込み、肌に絡み付いて、全身を締め上げている。都の口の中は、熱くて、ぬるぬるしていて、うねっていて、気持ち良い。柔らかい舌に俺の舌を擦り付けると、都のくぐもった声が、少しずつ遠退いていった。
「・・・・・・・・・はぁ、あ」
気が付くと、俺は全身にびっしょりと汗を掻いて都に覆い被さっていた。仰向けの都は、顔だけを横に向けて、弱々しく震えている。どんな表情をしているのか、目元は前髪で隠れて見えなかった。
「み、都・・・」
名前を呼ばれて、ゆっくりとこちらを向く。都は微笑み、俺の頬に手を伸ばし、優しく撫でた。
「・・・フフッ、気持ち良かった?」
「凄く・・・」
「まだ『お詫び』には足りないと思うんだけど、どうかな?」
俺は頬を撫でる都の手を掴み、乳首に移動させる。都は、ギリッ、と音がしそうな程、強く抓み上げた。
「んああッ!!」
ぱっ、と指が離れていく。
「・・・『下準備』してくるよ」
痛いくらいガチガチに勃起している。触っただけで弾けそうだ。
「『都様、どうかお許しください』って言うまで犯してあげるよ」
「・・・フフッ。楽しみだ」
「ンフフ」