九十八話 スポールバン
文字数 2,236文字
「っ、クソ・・・」
スポールバンを貼られて三日目。チクチクした刺激が心地良いが、勃起には至らない。客が居ないので館は静かだ。俺の小さな足音だけが響く。談話室に着き、雑誌を読むがあまり集中できず、何度も何度も同じページを読み直した。
「よう、兄貴!」
「・・・おう」
美代が来た。いつもより元気だ。美代は黙って仕事を始めた。俺も黙って雑誌を読む。暫くして、直治が来た。寒い日でもパーカーの前は閉めないくせに、この三日間はきっちり閉めている。
「よう、弟よ!」
「・・・おー」
「なんでお前らそんなに元気無いの?」
「逆に聞くけどなんでお前はそんな元気なんだよ」
「気持ち良いからだけど」
「お前は性に奔放過ぎる・・・」
直治がパーカーを引っ張っている。
「直治、パーカー引っ張っても楽にはならねえと思うぞ」
「あっ・・・。クソッ」
美代がくすくす笑う。直治は両手で顔を覆った。
「淳蔵、よく雑誌が読めるな・・・」
「読めてねーんだよ・・・。同じページずっと見てるけど頭に入ってこねえ・・・」
「軟弱だなお前ら」
「お前が頑丈過ぎるんだよ・・・」
「今日が三日目だろ? 早く外してくれないと仕事にならないぞ・・・」
ぱたぱた、と足音が近付いてきて、都が顔を出した。
「皆様、ご機嫌よう」
美代の表情が明るくなる。
「んー、直治かな」
途端に暗くなった。
「美代は明日ね」
そして再び明るくなった。
「淳蔵は明後日。二人共、それまで胸のものは外さないこと。わかった?」
「はいっ」
「わかったよ・・・」
「じゃ、直治。来なさい」
「おう」
翌日、直治は談話室に姿を現さなかった。
「美代、おいで」
「あはっ、待ってました」
美代も姿を現さなくなった。
「淳蔵」
「今行く」
俺は都の部屋に行く。服を脱いでベッドに腰掛けるように言われ、その通りにする。都は俺の隣に座った。
「・・・まだなぁんにもしてませんけど」
するり、と勃起しかけている男根を持ち上げるように撫でられて、ぞくぞくと快楽が全身に走る。
「さて、と。どうなってるかなぁ?」
都がスポールバンを慎重に外す。
「うわお」
自分の身体のことなのに、信じられなかった。
「あはっ、唐辛子みたいにぷっくり腫れてるね。触ったら痛いかなぁ・・・」
つつ、と乳輪をなぞられる。
「う、ううッ・・・」
ふう、と息を吹きかけられた。
「ふああッ!」
「痛いの?」
「じ、焦らさないでくれよっ」
いきなりべろっと舐められて、俺は全身を飛び跳ねさせた。
「こらこら暴れなさんな。焦らさないでっていうからその通りにしてあげてるのに」
「ばっ、馬鹿! 加減しろって!」
「フフッ、ねえ、淳蔵。美代と直治、スポールバン貼り続けたらどうなったと思う?」
「・・・どう、なったの?」
「美代は自分で乳首弄るだけでイッちゃうようになって止まらなくなっちゃって、直治は涎垂れ流して放心しながら笑ってたよ」
「や、やばぁ・・・」
「淳蔵は乳首はイマイチだけど、どう? 気持ち良い?」
「・・・気持ち良い、かなり」
「乳首、私が虐める? 自分で虐める?」
針を刺していた乳首を虐められるのは、怖い。
「じ、自分で、やります・・・」
「じゃあ、始めてください」
俺は都から顔を逸らしながら、そっと乳首を抓んで引っ張った。
「う、ん・・・、う・・・」
「淳蔵、手が止まってるよ」
「だ、だって、は、恥ずかしいんだよっ」
「うーん、直治に使ってるおもちゃ、使ってみる?」
「ど、どんなおもちゃ?」
「洗濯バサミとか磁石とか吸引機とか」
「自分でします!」
「なら甘ったるいことやってないで本気でやって。ほら」
「うう・・・」
俺は自分の乳首を思いっきり抓み上げ、捻った。
「んッあッあッあああッ!!」
「そうそう、その調子」
「くううっ!! んひっ!?」
バチバチバチッと全身の骨に電流が走ったような感じがした。乳首を酷く扱えば扱うほど電流は強くなっていって、段々止められなくなる。特に、引っ張っている時が一番感じた。
「ちぃ、ちぎれるぅッ!!」
「あは、千切れたら食べてあげるよ」
「ううっ、く!! ふ、ふあっ!! んんぅ!!」
「そうそう。抓んで、引っ張って、潰して、捏ねて、千切るくらいの勢いでやるのよ」
「ああっ!! あああっ!! はあっ、あっ、あんっ、ああぅ!!」
「抓んで、引っ張って、潰して、捏ねて、千切って」
都が耳元で囁く。
「もっと指先に力を入れて抓んで、痛いの我慢して引っ張って、腕の力を使って潰して、指の腹を使って左右に捏ねて、両手を使って千切るのよ」
「あぅあっあああああぁあ!!」
気付いたら俺は射精していた。ぼんやりとカーペットとフローリングを汚した自分の精液を見つめる。
「初めて乳首でイけたね」
肩で荒い息をする俺の耳朶をそっと噛んで、都が続ける。
「雌の顔してるね、淳蔵」
都の手が俺の腹を撫でる。臍に指を引っかけ、軽く引っ張った。俺はじれったくなって、都の手を掴んで、乳首に添える。
「なに?」
「あ・・・あ・・・。ち、乳首、虐めて、ください・・・」
それから都は、俺の乳首を指先に力を入れて抓んで、痛いと泣き叫んでも引っ張って、腕の力を使って潰して、指の腹を使って左右に捏ねて、両手を使って千切る勢いで虐めた。俺は不感気味だった乳首でもう一度イかされる頃には、乳首は真っ赤になってぱんぱんに腫れていた。服を着ると擦れて痛いし、絆創膏を貼ってもじんじんと疼いてぷっくりと浮き上がっている。美代と直治が談話室に来ない理由がわかった。こんなの見られたら死ぬほど揶揄われるに決まっている。結局、腫れが引くまで五日かかった。
スポールバンを貼られて三日目。チクチクした刺激が心地良いが、勃起には至らない。客が居ないので館は静かだ。俺の小さな足音だけが響く。談話室に着き、雑誌を読むがあまり集中できず、何度も何度も同じページを読み直した。
「よう、兄貴!」
「・・・おう」
美代が来た。いつもより元気だ。美代は黙って仕事を始めた。俺も黙って雑誌を読む。暫くして、直治が来た。寒い日でもパーカーの前は閉めないくせに、この三日間はきっちり閉めている。
「よう、弟よ!」
「・・・おー」
「なんでお前らそんなに元気無いの?」
「逆に聞くけどなんでお前はそんな元気なんだよ」
「気持ち良いからだけど」
「お前は性に奔放過ぎる・・・」
直治がパーカーを引っ張っている。
「直治、パーカー引っ張っても楽にはならねえと思うぞ」
「あっ・・・。クソッ」
美代がくすくす笑う。直治は両手で顔を覆った。
「淳蔵、よく雑誌が読めるな・・・」
「読めてねーんだよ・・・。同じページずっと見てるけど頭に入ってこねえ・・・」
「軟弱だなお前ら」
「お前が頑丈過ぎるんだよ・・・」
「今日が三日目だろ? 早く外してくれないと仕事にならないぞ・・・」
ぱたぱた、と足音が近付いてきて、都が顔を出した。
「皆様、ご機嫌よう」
美代の表情が明るくなる。
「んー、直治かな」
途端に暗くなった。
「美代は明日ね」
そして再び明るくなった。
「淳蔵は明後日。二人共、それまで胸のものは外さないこと。わかった?」
「はいっ」
「わかったよ・・・」
「じゃ、直治。来なさい」
「おう」
翌日、直治は談話室に姿を現さなかった。
「美代、おいで」
「あはっ、待ってました」
美代も姿を現さなくなった。
「淳蔵」
「今行く」
俺は都の部屋に行く。服を脱いでベッドに腰掛けるように言われ、その通りにする。都は俺の隣に座った。
「・・・まだなぁんにもしてませんけど」
するり、と勃起しかけている男根を持ち上げるように撫でられて、ぞくぞくと快楽が全身に走る。
「さて、と。どうなってるかなぁ?」
都がスポールバンを慎重に外す。
「うわお」
自分の身体のことなのに、信じられなかった。
「あはっ、唐辛子みたいにぷっくり腫れてるね。触ったら痛いかなぁ・・・」
つつ、と乳輪をなぞられる。
「う、ううッ・・・」
ふう、と息を吹きかけられた。
「ふああッ!」
「痛いの?」
「じ、焦らさないでくれよっ」
いきなりべろっと舐められて、俺は全身を飛び跳ねさせた。
「こらこら暴れなさんな。焦らさないでっていうからその通りにしてあげてるのに」
「ばっ、馬鹿! 加減しろって!」
「フフッ、ねえ、淳蔵。美代と直治、スポールバン貼り続けたらどうなったと思う?」
「・・・どう、なったの?」
「美代は自分で乳首弄るだけでイッちゃうようになって止まらなくなっちゃって、直治は涎垂れ流して放心しながら笑ってたよ」
「や、やばぁ・・・」
「淳蔵は乳首はイマイチだけど、どう? 気持ち良い?」
「・・・気持ち良い、かなり」
「乳首、私が虐める? 自分で虐める?」
針を刺していた乳首を虐められるのは、怖い。
「じ、自分で、やります・・・」
「じゃあ、始めてください」
俺は都から顔を逸らしながら、そっと乳首を抓んで引っ張った。
「う、ん・・・、う・・・」
「淳蔵、手が止まってるよ」
「だ、だって、は、恥ずかしいんだよっ」
「うーん、直治に使ってるおもちゃ、使ってみる?」
「ど、どんなおもちゃ?」
「洗濯バサミとか磁石とか吸引機とか」
「自分でします!」
「なら甘ったるいことやってないで本気でやって。ほら」
「うう・・・」
俺は自分の乳首を思いっきり抓み上げ、捻った。
「んッあッあッあああッ!!」
「そうそう、その調子」
「くううっ!! んひっ!?」
バチバチバチッと全身の骨に電流が走ったような感じがした。乳首を酷く扱えば扱うほど電流は強くなっていって、段々止められなくなる。特に、引っ張っている時が一番感じた。
「ちぃ、ちぎれるぅッ!!」
「あは、千切れたら食べてあげるよ」
「ううっ、く!! ふ、ふあっ!! んんぅ!!」
「そうそう。抓んで、引っ張って、潰して、捏ねて、千切るくらいの勢いでやるのよ」
「ああっ!! あああっ!! はあっ、あっ、あんっ、ああぅ!!」
「抓んで、引っ張って、潰して、捏ねて、千切って」
都が耳元で囁く。
「もっと指先に力を入れて抓んで、痛いの我慢して引っ張って、腕の力を使って潰して、指の腹を使って左右に捏ねて、両手を使って千切るのよ」
「あぅあっあああああぁあ!!」
気付いたら俺は射精していた。ぼんやりとカーペットとフローリングを汚した自分の精液を見つめる。
「初めて乳首でイけたね」
肩で荒い息をする俺の耳朶をそっと噛んで、都が続ける。
「雌の顔してるね、淳蔵」
都の手が俺の腹を撫でる。臍に指を引っかけ、軽く引っ張った。俺はじれったくなって、都の手を掴んで、乳首に添える。
「なに?」
「あ・・・あ・・・。ち、乳首、虐めて、ください・・・」
それから都は、俺の乳首を指先に力を入れて抓んで、痛いと泣き叫んでも引っ張って、腕の力を使って潰して、指の腹を使って左右に捏ねて、両手を使って千切る勢いで虐めた。俺は不感気味だった乳首でもう一度イかされる頃には、乳首は真っ赤になってぱんぱんに腫れていた。服を着ると擦れて痛いし、絆創膏を貼ってもじんじんと疼いてぷっくりと浮き上がっている。美代と直治が談話室に来ない理由がわかった。こんなの見られたら死ぬほど揶揄われるに決まっている。結局、腫れが引くまで五日かかった。