九十二話 責任
文字数 1,876文字
愛美を絞めた。四ヵ月かけて12kg痩せさせたらしいが、元があるのでそれでも太っている。直治が解体する時はまるでマグロの解体ショーのようで、見応えがあった。今日の夕食はソーセージ、明日はビーフシチュー、明後日はビーフシチューをソースに転用してハンバーグにするらしい。それで愛美は喰い尽くされる。
「いただきます」
『いただきます』
「おおー・・・。蕩ける程、美味ですねェ」
「ね? 直治の肉料理は美味しいでしょう?」
「最高ですゥ! これを励みにお仕事頑張ります!」
「ですって、直治。良かったわね」
「ん」
素っ気ない返事だが満更でもない様子だ。内心はかなり喜んでいるに違いない。
「次は半年後ね」
久々に喰った肉は、美味かった。
翌日、朝食後。
来週、客が来る。朝のパトロールを済ませると、客を乗せるルートの下調べをし、実際に走る。帰ってきたら午前が終わる。肉を喰って満足しているので昼食は摂らず、その時間を昼のパトロールと洗濯に回した。あっという間に談話室で雑誌を読む時間になった。昨日読んでいた雑誌の続きを読む。
「よう兄貴」
「おー」
美代が来た。少し遅れて直治もやってくる。下らない話をしていると、俺のラインの着信音が鳴った。次いで美代、直治の携帯も鳴る。発信者は都だった。
『今度コスプレして遊びませんか?
どんな衣装がいいか選んでください。
着るのは私です』
「はぇ・・・?」
「あっ・・・」
「・・・すぅー」
三者三様。恐らく同じ連絡が来た。
「わ、悪いちょっと用事・・・」
「俺も・・・」
「あー、じゃあな・・・」
俺は部屋に戻り悶絶した。都のコスプレ。それこそオリンピックと同じ頻度でしか訪れない。つまり一回訪れなかったら八年程お預けされるということだ。俺は顔を真っ赤にして、口元をおさえながら熟考し、返信した。
『看護師』
返事はすぐにきた。
『白いミニスカートの看護師?
青いズボンの看護師?』
どんな顔してこんなこと聞いてるんだよ・・・。
『白』
『ニーソックス履く? 白と黒どっちがいい?』
『黒』
『他にリクエストは?』
『口紅は赤でお願いします』
『わかりました。またリクエストがあれば今月中に送ってください』
『はい』
やりとりはそれで終わった。
「やっべー・・・」
都とコスチュームプレイするとしたら、多分、来月の十二月。
「あああああ、写真撮りてえ・・・。なんで俺達だけ写真撮られて、都は一枚も撮らせてくれないんだよぉ・・・」
前にコスプレしてもらった時は、クラシカルなメイドだった。フレームの薄い丸眼鏡のオプション付き。大きな胸が白いエプロンの下で窮屈そうにしていて、揉み心地は最高だった。『淳蔵様』と呼ばれながら言葉責めされて、鼻血が出かねない程興奮したのを今でもはっきりと覚えている。美代は巫女の服、直治はバニーガールだったらしい。美代はニッチ過ぎるし、直治はむっつりすけべ過ぎる。いや、俺は人のことを笑えないんだが。
「クソッ、なんで俺達、こんな変態なんだ・・・?」
俺が都と初めてした時は、まだ『普通』というか、ノーマルな性癖の持ち主だった、はずだ。
俺は薬をやめる過程で、献身的に世話をしてくれた都に夢中になっていた。無事に薬をやめられて、礼儀作法を身に着け始めた頃。俺は椅子に座り、都は後ろに立って俺に字の書き方を指導していた。ふわっと良い香りが漂ってきて、集中できなくて、俺はどうしても都と気持ち良いことがしたくなって、都を押し倒した。都は特に抵抗せず、俺にキスされて胸を揉まれていた。
『淳蔵』
『な、なに?』
『膣は駄目なの。私、処女じゃなくなったら死んじゃうから』
『・・・俺とするの、嫌なの?』
『ううん。嬉しい。でも、ごめんね。それ以外のことならなんでもしてあげるから・・・』
そう言って下手くそなフェラを一生懸命続けて、なんとか俺をイかせてくれた。その後も何度もそういうことが続いて、じれったくなった俺が耐えかねて舐め方を教えてやると、都は素直に教えられて、次第に上手くなっていった。
「あ、俺達のせい、か?」
都に命を助けられて、都があんまりにも良い女だから恋をしてしまって、都が処女でいられるような男の悦ばせ方を手探りで教えて。賢くて努力家な都はあっという間に成長して、俺達の弱点に気付いてそこを責めるようになった。あとは、もう。
「ハハハッ・・・」
身体が火照ってきた。
「・・・俺達の責任じゃねえか」
都をS女にしたの、俺達のせいだ。俺達がM男になったのも。
「あほらし・・・」
そう自虐して、シャワーを浴びて目覚ましをセットし、夕食の時間まで寝ようとした。結局、興奮して一睡もできなかった。
「いただきます」
『いただきます』
「おおー・・・。蕩ける程、美味ですねェ」
「ね? 直治の肉料理は美味しいでしょう?」
「最高ですゥ! これを励みにお仕事頑張ります!」
「ですって、直治。良かったわね」
「ん」
素っ気ない返事だが満更でもない様子だ。内心はかなり喜んでいるに違いない。
「次は半年後ね」
久々に喰った肉は、美味かった。
翌日、朝食後。
来週、客が来る。朝のパトロールを済ませると、客を乗せるルートの下調べをし、実際に走る。帰ってきたら午前が終わる。肉を喰って満足しているので昼食は摂らず、その時間を昼のパトロールと洗濯に回した。あっという間に談話室で雑誌を読む時間になった。昨日読んでいた雑誌の続きを読む。
「よう兄貴」
「おー」
美代が来た。少し遅れて直治もやってくる。下らない話をしていると、俺のラインの着信音が鳴った。次いで美代、直治の携帯も鳴る。発信者は都だった。
『今度コスプレして遊びませんか?
どんな衣装がいいか選んでください。
着るのは私です』
「はぇ・・・?」
「あっ・・・」
「・・・すぅー」
三者三様。恐らく同じ連絡が来た。
「わ、悪いちょっと用事・・・」
「俺も・・・」
「あー、じゃあな・・・」
俺は部屋に戻り悶絶した。都のコスプレ。それこそオリンピックと同じ頻度でしか訪れない。つまり一回訪れなかったら八年程お預けされるということだ。俺は顔を真っ赤にして、口元をおさえながら熟考し、返信した。
『看護師』
返事はすぐにきた。
『白いミニスカートの看護師?
青いズボンの看護師?』
どんな顔してこんなこと聞いてるんだよ・・・。
『白』
『ニーソックス履く? 白と黒どっちがいい?』
『黒』
『他にリクエストは?』
『口紅は赤でお願いします』
『わかりました。またリクエストがあれば今月中に送ってください』
『はい』
やりとりはそれで終わった。
「やっべー・・・」
都とコスチュームプレイするとしたら、多分、来月の十二月。
「あああああ、写真撮りてえ・・・。なんで俺達だけ写真撮られて、都は一枚も撮らせてくれないんだよぉ・・・」
前にコスプレしてもらった時は、クラシカルなメイドだった。フレームの薄い丸眼鏡のオプション付き。大きな胸が白いエプロンの下で窮屈そうにしていて、揉み心地は最高だった。『淳蔵様』と呼ばれながら言葉責めされて、鼻血が出かねない程興奮したのを今でもはっきりと覚えている。美代は巫女の服、直治はバニーガールだったらしい。美代はニッチ過ぎるし、直治はむっつりすけべ過ぎる。いや、俺は人のことを笑えないんだが。
「クソッ、なんで俺達、こんな変態なんだ・・・?」
俺が都と初めてした時は、まだ『普通』というか、ノーマルな性癖の持ち主だった、はずだ。
俺は薬をやめる過程で、献身的に世話をしてくれた都に夢中になっていた。無事に薬をやめられて、礼儀作法を身に着け始めた頃。俺は椅子に座り、都は後ろに立って俺に字の書き方を指導していた。ふわっと良い香りが漂ってきて、集中できなくて、俺はどうしても都と気持ち良いことがしたくなって、都を押し倒した。都は特に抵抗せず、俺にキスされて胸を揉まれていた。
『淳蔵』
『な、なに?』
『膣は駄目なの。私、処女じゃなくなったら死んじゃうから』
『・・・俺とするの、嫌なの?』
『ううん。嬉しい。でも、ごめんね。それ以外のことならなんでもしてあげるから・・・』
そう言って下手くそなフェラを一生懸命続けて、なんとか俺をイかせてくれた。その後も何度もそういうことが続いて、じれったくなった俺が耐えかねて舐め方を教えてやると、都は素直に教えられて、次第に上手くなっていった。
「あ、俺達のせい、か?」
都に命を助けられて、都があんまりにも良い女だから恋をしてしまって、都が処女でいられるような男の悦ばせ方を手探りで教えて。賢くて努力家な都はあっという間に成長して、俺達の弱点に気付いてそこを責めるようになった。あとは、もう。
「ハハハッ・・・」
身体が火照ってきた。
「・・・俺達の責任じゃねえか」
都をS女にしたの、俺達のせいだ。俺達がM男になったのも。
「あほらし・・・」
そう自虐して、シャワーを浴びて目覚ましをセットし、夕食の時間まで寝ようとした。結局、興奮して一睡もできなかった。