八十話 疑似〇精2

文字数 2,191文字

「疑似射精?」

「そうだ」


都が面白いおもちゃを手に入れたという話に、美代が食いつく。


「ボタンを押すと、おもちゃからお湯が出るんだよ。一般的な男性の射精量が3.5ml。おもちゃには100ml入る。射出量も選べて、3.5ml、15ml、30ml、50ml、80ml、100mlあるぞ」

「へえ・・・」

「本体も都がお湯に漬けて人肌よりちょっと温かいくらいにしてるんだよ。咥えた時は15mlと50ml、本番では50mlにした。凄かったぞ」

「どんな風に?」

「教えたら楽しみが半減するだろ」

「ちょっとだけ味見させろ」

「この世のもの全てが愛おしくなるくらい気持ち良かった」

「きっも。やばいな・・・」


ぱたぱた、と千代でも愛美でもない足音が近付いてきた。俺達は息を呑む。


「あっ、居た居た。淳蔵ちゃん、遊びましょ」


嫉妬からくる怒りが一周して無表情になった美代が俺を見る。


「ん、今行く」


俺は都に連れられて、都の部屋に行った。


「『下準備』?」

「うん。直治から聞いた?」

「全部聞いた」

「ぐひひ、おじさん待ってますね・・・」


都は寝室に消えていく。俺は溜息を吐いて、トイレで『下準備』を済ませた。寝室に戻ると、オレンジ色のセクシーな下着姿でペニスバンドを装着した都が本を読んで待っていた。


「おお、待っておったぞ、村一番の美貌を持つ生娘よ」

「まあ、わたくしを生贄にするかわりに村を襲わないという約束をした悪い化け物なのね」

「そーです! じゃ、何mlにする?」

「15ml」


都がカチカチとボタンの位置を調節する。俺は黙って都の前に跪くと、足を開かせた。


「えっ!? 淳蔵、咥えるのは、」

「うん。無理。昔のこと思い出すから」

「咥えなくていいから、」

「都なら気持ち良い思い出に塗り替えてくれるだろ? 信じてるよ」


俺は身体を伸ばして都にキスをした。都は俺の耳の後ろを撫でる。これだけでもう、気持ち良い。


「下品にしゃぶるけど、今日だけは許して」


都の返事を聞かず、俺はペニスバンドの鈴口にチュッと音を立てて口付ける。舌を広げて亀頭をべろりと舐め上げると、一気に加えて頭を上下させた。じゅぽじゅぽと汚い水音が響く。直治の言っていた通り、熱い。口の中を犯されている感じがする。都に奉仕している感じが物凄く強くて、しゃぶっているだけで気持ち良い。都を見ると、顔を真っ赤にして口元を両手で押さえていた。

十分くらい経っただろうか。顎が疲れてきたので、都の太腿をペチペチと叩く。都は慌ててスイッチを手に取った。


「淳蔵、だ、出すよ?」

「んー」


カチッ、とスイッチを押す音がして、お湯が口の中に飛び込んできた。俺は喉の奥の肉を閉めて鼻で深く呼吸する。全部出し終わったのを確認してから、ペニスバンドの中の残りを吸い出すように口を窄めながら口を放す。都の両太腿に俺の両手を置いて足を広げさせ、俺は都に口の中を見せる。都は顔を更に真っ赤にして、どこかぼーっとした表情で俺の口の中を見ていた。俺は口を閉じ、お湯を飲む。そして再び口を開いて口の中を見せた。


「ほら、全部飲んだよ。ご馳走様」

「あ、あう・・・あう・・・」

「んー? 悪い化け物のおじさん、どしたのかなァ?」

「ま、参りました・・・」


都はがっくりと項垂れた。俺はそれを掬い上げるようにキスをする。


「んんっ」

「ふ、くくく」

「・・・嫌な感じ、した?」

「しなかった。愛の力だな」

「あはっ、陳腐だねえ」


今度は都からキスしてくれた。


「で? 変態おじさん。いつ虐めてくれるのかな?」

「では、ベッドの上で四つん這いになりなさい、淳蔵ちゃん」


恥ずかしい体位だったが、俺は大人しく従う。尻の穴をべろべろ舐められてちゅうちゅう吸われて、声が我慢できない。


「んんっ、う・・・。も、もういいから、挿れてくれよ・・・」

「はあい」


ぬちぬちとローションを塗る音がする。ぐっ、と尻の穴が押し広げられて、ペニスバンドが俺の身体の中に入ってきた。


「うおッ!?」


熱い。本物みたいだ。


「うぐっ、うう、ふーっ・・・!」

「いくよー」


間抜けな掛け声とともに、ずちょずちょと音が鳴る。


「直治と同じ50mlにしとくね。淳蔵のイくタイミングで出すから、私のことは気にせず楽しんでね」

「そんなっ、ああっ!? あつっ、んんんっ! んん!」


やばい。都に、都に犯されてる。前立腺を都の肉棒でゴリゴリ擦り潰される。


「おごっ!? おおおっ!! おあぅ!! あうんっ!! あああああ!!」


駄目だ。興奮している。都は汚い俺を受け入れてくれた。昔『商売』をしていた時と変わらないようにしゃぶったのに、都は顔を真っ赤にして、俺の痴態に興奮してくれた。それが嬉しくて堪らない。


「み、みやごっ! いぎだいっ! じ、じぶんでしていいっ!?」

「いいよ」


俺は上体を伏せて両腕を自由にすると。左腕で枕を抱え、右腕で自分の男根をしごいた。あっという間に精液が昇ってきて、身体がぷるぷる震える。


「あっ、んんっ!!」


カチッ、お湯が身体の中に流れ込んできた。


「あああああっ!?」


本当に、都の精液が流れ込んできているような、錯覚。


「あ、ああ・・・。きもちー・・・」

「淳蔵、意識ある?」

「ん・・・。なくなり・・・、そー・・・」

「身体、拭いといてあげるから、ねんねしましょうか」

「はい・・・」


多幸感とはこのことかと、俺は感じていた。都が温かい濡れタオルで俺の身体を拭うのを感じながら、俺は意識を手放した。
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