五十六話 薬2
文字数 1,861文字
「ねー、淳蔵はなんで髪の毛伸ばしてるの?」
勉強が終わった雅が俺の隣に座り、ストローでジュースを飲みながら聞いてくる。
「都のため」
「そうじゃなくってさぁ」
拗ねたあと、少し考える素振りを見せた。
「あ、質問の仕方が悪いのか。どうして髪を伸ばすようになったの?」
「おお? 雅、ちょっとは賢くなったじゃないか」
美代が茶化す。
「そういえばなんで伸ばしてるんだ?」
「直治お前まで・・・。ッチ、はいはい答えりゃいいんだろ」
俺は雑誌を読む気が失せて、雑誌を閉じた。
「『商売』のために元々ちょっと伸ばしてたんだよ。客受けが良かったからな」
「商売?」
「接客業」
「へー」
なにも知らない雅が呑気に答える。
「都のところに来たあと、商売してた過去と決別したくてバッサリ切ったんだけど、どうにも似合わなくてな。都が手入れの仕方を教えてくれるっつうから伸ばし直したんだよ。そうしたらみるみる綺麗になっていって、それがクセになっちまった。毎日髪の手入れをしていないと落ち着かない身体になっちまったんだよ」
「・・・触っていい?」
「触ったら殺す」
「雅、絶対触るな。こいつ客に触られてブチギレて談話室壊したことあるから」
「ひっ、ご、ごめんなさい」
ひょこっ、と都が談話室に顔を出した。
「淳蔵ちゃん、遊びましょ」
美代が拳を握りしめる。こいついっつも嫉妬してるな。
「今行く」
俺は立ち上がり、都の部屋に行く。媚薬であろう座薬が入ったシートを渡されたので大人しく受け取り、『下準備』を済ませ、座薬を挿れた。ベッドに座って本を読んでいる都はえげつないペニスバンドをつけていて、アンバランスな光景に頭がくらくらした。
「前戯は無し?」
「そー」
俺は都の隣に座り、腕を組んで目を閉じた。
どく、どく。
身体が疼く。
「・・・すぅー」
空気が冷たい。
「都」
「あと五分」
早く、早く挿れてほしい。
「はっ、はぁ・・・」
「つらいなら寝な」
意地悪な態度をとられても、嫌いになれない。俺は大人しくベッドの上で横になった。この状態で五分。拷問だ。疼きをどうにかしたくて、俺は芋虫みたいにベッドの上で身体をくねらせた。都がペニスバンドにローションを塗り、俺の足を開かせる。くる、くる・・・!
「あああああああっ!!」
慣らさずに挿入されて、痛くて苦しいはずなのに、気持ち良すぎて意識が飛んだ。
「んぐ!! うう!! あっ!!」
本当に内臓の位置がかわってしまう。死ぬ程気持ち良い。
「あぅ!! あっ!! あんんっ!! んぅ!!」
自分の女々しい声に興奮して、情けなくなる。
「きもちいいッ!! あああっ!! もっと!! もっとはげしく!!」
異物を排除しようとする身体の動きすら気持ち良かった。意識が飛ぶ、戻る、飛ぶ、戻る。ふと気付くと、都がかなり疲れた様子でゆっくりと腰を振っていた。
「あっ、あんっ、み、みやこっ」
「はー、意識戻りましたか?」
都が動きを止める。
「あぅ、やめないで・・・」
「これ以上は淳蔵が壊れちゃうから」
「いいからっ」
「駄目駄目。レイプになっちゃう」
「レイプしてよっ」
「はい、おしまい」
ずるずると引き抜かれると、全身の力も抜けていく。意識がまた飛んだ。
「う、いってェ!!」
腰の激痛で目が覚めた。俺の声に気付いたのか、都がやってくる。
「馬鹿・・・」
「えへへ、ごめんね」
「動けねえよ・・・」
「食事は千代さんに運んでもらうから、動けるようになるまで私の部屋で寝泊まりしててね」
「馬ッ鹿野郎ー・・・」
相当無茶をしたのか、動けるようになるまで三日かかった。雑誌を読みたいが座れない。談話室に行き、ソファーの前で立つ。
「雅、ジャスミンの散歩に行ってこい」
「はーい」
雅が出掛けて行く。美代が歪んだ笑みを浮かべた。
「よう兄貴、生きてたか」
「お前が居ない間、俺が雅を送迎したんだぞ。死ぬかと思った」
直治が悪態を吐いた。
「弟よ」
美代を見て言うと、美代がウゲッといった顔をする。
「お前も腰をやられるぞ」
「楽しみにしてるんですけどねェ!!」
「いや尋常じゃなく痛いから。なァ、直治」
「ほんとにつらいぞ」
「じゃあ聞くがな!! また同じことするって言われたら断りますかァ!?」
「喜んで付き合う」
「俺も」
「だあッ!! クソ馬鹿共!!」
美代がテーブルを蹴っ飛ばして出て行った。
「揶揄い甲斐のあるヤツだなァ。っつ、いてて・・・」
「俺もまだ痛い」
「雅の勉強どうするんだろうな」
「千代に見させればいいだろ。あいつ意外といい大学出てるぞ」
「へー。うぅ、いたた・・・。遊ぶだけ遊んだし帰るわ・・・」
「俺も戻る」
ひょこひょこ歩きながら、俺は自室に戻った。
勉強が終わった雅が俺の隣に座り、ストローでジュースを飲みながら聞いてくる。
「都のため」
「そうじゃなくってさぁ」
拗ねたあと、少し考える素振りを見せた。
「あ、質問の仕方が悪いのか。どうして髪を伸ばすようになったの?」
「おお? 雅、ちょっとは賢くなったじゃないか」
美代が茶化す。
「そういえばなんで伸ばしてるんだ?」
「直治お前まで・・・。ッチ、はいはい答えりゃいいんだろ」
俺は雑誌を読む気が失せて、雑誌を閉じた。
「『商売』のために元々ちょっと伸ばしてたんだよ。客受けが良かったからな」
「商売?」
「接客業」
「へー」
なにも知らない雅が呑気に答える。
「都のところに来たあと、商売してた過去と決別したくてバッサリ切ったんだけど、どうにも似合わなくてな。都が手入れの仕方を教えてくれるっつうから伸ばし直したんだよ。そうしたらみるみる綺麗になっていって、それがクセになっちまった。毎日髪の手入れをしていないと落ち着かない身体になっちまったんだよ」
「・・・触っていい?」
「触ったら殺す」
「雅、絶対触るな。こいつ客に触られてブチギレて談話室壊したことあるから」
「ひっ、ご、ごめんなさい」
ひょこっ、と都が談話室に顔を出した。
「淳蔵ちゃん、遊びましょ」
美代が拳を握りしめる。こいついっつも嫉妬してるな。
「今行く」
俺は立ち上がり、都の部屋に行く。媚薬であろう座薬が入ったシートを渡されたので大人しく受け取り、『下準備』を済ませ、座薬を挿れた。ベッドに座って本を読んでいる都はえげつないペニスバンドをつけていて、アンバランスな光景に頭がくらくらした。
「前戯は無し?」
「そー」
俺は都の隣に座り、腕を組んで目を閉じた。
どく、どく。
身体が疼く。
「・・・すぅー」
空気が冷たい。
「都」
「あと五分」
早く、早く挿れてほしい。
「はっ、はぁ・・・」
「つらいなら寝な」
意地悪な態度をとられても、嫌いになれない。俺は大人しくベッドの上で横になった。この状態で五分。拷問だ。疼きをどうにかしたくて、俺は芋虫みたいにベッドの上で身体をくねらせた。都がペニスバンドにローションを塗り、俺の足を開かせる。くる、くる・・・!
「あああああああっ!!」
慣らさずに挿入されて、痛くて苦しいはずなのに、気持ち良すぎて意識が飛んだ。
「んぐ!! うう!! あっ!!」
本当に内臓の位置がかわってしまう。死ぬ程気持ち良い。
「あぅ!! あっ!! あんんっ!! んぅ!!」
自分の女々しい声に興奮して、情けなくなる。
「きもちいいッ!! あああっ!! もっと!! もっとはげしく!!」
異物を排除しようとする身体の動きすら気持ち良かった。意識が飛ぶ、戻る、飛ぶ、戻る。ふと気付くと、都がかなり疲れた様子でゆっくりと腰を振っていた。
「あっ、あんっ、み、みやこっ」
「はー、意識戻りましたか?」
都が動きを止める。
「あぅ、やめないで・・・」
「これ以上は淳蔵が壊れちゃうから」
「いいからっ」
「駄目駄目。レイプになっちゃう」
「レイプしてよっ」
「はい、おしまい」
ずるずると引き抜かれると、全身の力も抜けていく。意識がまた飛んだ。
「う、いってェ!!」
腰の激痛で目が覚めた。俺の声に気付いたのか、都がやってくる。
「馬鹿・・・」
「えへへ、ごめんね」
「動けねえよ・・・」
「食事は千代さんに運んでもらうから、動けるようになるまで私の部屋で寝泊まりしててね」
「馬ッ鹿野郎ー・・・」
相当無茶をしたのか、動けるようになるまで三日かかった。雑誌を読みたいが座れない。談話室に行き、ソファーの前で立つ。
「雅、ジャスミンの散歩に行ってこい」
「はーい」
雅が出掛けて行く。美代が歪んだ笑みを浮かべた。
「よう兄貴、生きてたか」
「お前が居ない間、俺が雅を送迎したんだぞ。死ぬかと思った」
直治が悪態を吐いた。
「弟よ」
美代を見て言うと、美代がウゲッといった顔をする。
「お前も腰をやられるぞ」
「楽しみにしてるんですけどねェ!!」
「いや尋常じゃなく痛いから。なァ、直治」
「ほんとにつらいぞ」
「じゃあ聞くがな!! また同じことするって言われたら断りますかァ!?」
「喜んで付き合う」
「俺も」
「だあッ!! クソ馬鹿共!!」
美代がテーブルを蹴っ飛ばして出て行った。
「揶揄い甲斐のあるヤツだなァ。っつ、いてて・・・」
「俺もまだ痛い」
「雅の勉強どうするんだろうな」
「千代に見させればいいだろ。あいつ意外といい大学出てるぞ」
「へー。うぅ、いたた・・・。遊ぶだけ遊んだし帰るわ・・・」
「俺も戻る」
ひょこひょこ歩きながら、俺は自室に戻った。