第351話 レッドドラゴン戦!2

文字数 1,289文字


 でも、もうこうなったら、しかたない。
 ここにいるメンバーで、なんとか、この巨大なドラゴンを倒さないと。

 あっ、ちなみにケロちゃんの自動石化はレッドドラゴンには効果なかった。ボスだから石化耐性があるのか、単に失敗の50%のほうだったのかはわからない。

 僕はとにかく足パタパタ。
 せめて、素早さ上げないと。
 国境の火竜戦のとき、僕らは補助魔法を使わずに勝てた。あのときの戦法と基本は同じで行けるはずだ。
 バランがいないから、薔薇がかからない。もっとがんばろ〜効果がないので、そのぶんを補うには、精霊王のレプリカ剣の装備品魔法をとにかく、たくさんかけないと。

 そのあいだに、たまりんがハープをポロンと弾いた。
 弾きながら妙にユラユラしてる。もしかして、あれは踊り子のスキルだろうか? そのせいか、ちょっと力が上がった気がする。

 ぽよちゃんは、はねた。
 寝ながらはねるなんて器用だなぁ。

「じゃ、行くよ」

 僕はかけだした。
 レッドドラゴンは大きすぎて、ピョンととびあがっても、すねくらいまでしか届かない。ザクッと剣を横になぎはらう。

 か、かったい!
 ガチンと金属にあたったような音がして、あんまり深くは刺さらなかった。いちおうクリティカルで200はHPけずれたけど、30000のなかの200だ。クリティカルでなければ100に達してなかったかも。さきが思いやられるなぁ。

 ただ、ありがたいことに、レッドドラゴンは素早くはないようだ。
 十回切りつけてもまだまだ動ける。

 僕はここで、あえて、つまみ食いした。ボスにも有効だからね。レッドドラゴンの力か体力を吸いとれれば、ほんのちょっぴりとは言え、相手を弱体化できると考えたのだ。
 けど、吸いとれたのは、HPと素早さと器用さだった。それぞれ5ずつ奪えたけど、30000HPが29995になっても、大差はない。

 うーん。つまみ食い。
 ボス相手のときには、せめて10ずつ吸いとれるとかじゃないと役に立たない。

 しょうがないので、僕は動けなくなるまで、通常攻撃した。

 攻撃終わってから気づいたけど、ぽよちゃん、敵の弱点属性を通常攻撃につける魔法があったんじゃなかったっけ?
 レッドドラゴンは見るまでもなく、百パーセント、火属性だ。苦手は水属性。弱点属性での攻撃なら、与ダメが五割増しになるんだったかな?
 残念。それにしとけばよかった。

 三十回は攻撃したんで、そのたびに装備品魔法の『みんな、がんばろ〜』がかかった。
 最後のほうの攻撃はクリティカルで420前後にまでなってた。がんばろ〜効果はマックスに高まったようだ。
 これ以上のダメージを一回で与えるためには、あとは弱点で攻めるしかない。

 僕は仲間のところまで戻ってきて、後衛のぽよちゃんに頼んだ。

「ぽよちゃん。次のターンでは、僕に敵の弱点をつける魔法かけてくれる?」
「キュっ」

 これで次からは、一回につき600ダメージは与えられる。
 とりあえず、今のターンでは総計一万弱のHPを剥がした。
 三十回連続攻撃だからなぁ。
 国境の火竜よりはしんどいけど、これなら次かその次のターンで、なんとか倒せるかも!
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登場人物紹介

東堂薫(僕)

ニックネームは、かーくん。

アパレルショップで働くゆるキャラ的人間。

「なかの人、しまねっこだよね?」とリアルで言われたことがある。

東堂猛(兄)

顔よし、頭よし、武芸も達人。

でも、今回の話では何やら妙な動きをしている。

九重蘭(ここのえらん)

同居している友人……なのだが、こっちの世界では女の子?

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