第110話 冒険者ランクと称号

文字数 1,034文字



「冒険者ランクはおもにギルドへの貢献度で決まります。ギルド貢献度は救助回数、完了した仕事の回数、戦闘経験、武闘会の成績、買い物ポイント、情報屋への情報提供、称号の数などにより加算されます。ランクはEからトリプルA。その上にSランクがありますが、現在、Sランクの冒険者は存在しません」
「えっ? そうなの? ワレスさんは?」
「トリプルAです。Sランクは彼と一対一で勝負して勝つか、魔王の四天王を倒すなど、特別な貢献をした者にのみ与えられる名誉ランクです」
「なるほど」

 一対一でワレスさんに……ムリだ!
 スネークドラゴンを倒した彼の腕前は人間業と思えなかった。それならまだ四天王のほうが可能性あるかも。なぜなら、束でかかっていくことができる。金の力にものを言わせて……早く傭兵呼び覚えなくちゃ。

「ちなみに称号は一定の条件を満たすと与えられます。称号には戦闘系称号、経済系称号、救助系称号などがあります。戦闘系称号は自己申告になります。データ画面の戦闘履歴から倒したモンスターの数、種類などを申請いただくと称号を獲得できます。かーくんさんには、すでにプチ富豪、富豪、貯金王の称号がありますね。百五十万円以上の貯金を持つ冒険者に与えられます」

 あはは……ズルしてる気分。

「なので、現在のかーくんさんの冒険者ランクはEです」
「Eか。最下層だね。戦闘用称号は今、申請できますか?」
「できますよ。戦歴を見せてください。ああ、ミノタウルス、アナコンダ、フェニックスを倒していますね。かーくんさんとパーティーの皆さんに、それぞれ、牛殺し、蛇殺し、不死鳥殺しの称号が授与されます」

 あんまりカッコイイ称号じゃないなぁ。とくに牛殺し。それって、ほぼ屠殺(とさつ)業者なんじゃ? 精肉店の人みたい。

「戦闘回数も250回を超えていますね。かけだし冒険者、ぼちぼち冒険者、百匹ハンター、モンスターハンターの称号が与えられます」

 モンスターハンター!
 それは、なんかいい響き。
 牛殺しよりはいいよ……。

「よって、かーくんさんは合計十の称号を得られました。ランクDに昇級です」
「ふうん」
「アンドーさんは貯金系の称号はありませんが、さらにドラゴン、スキュラ、クラーケンを倒していますね。アンドーさんもランクDです」

 そっか。称号十個でランクDなのか。
 ふふふ。じゃあ、本題だ。

「ギルドに二十万を寄付したら、称号とランクはどうなりますか?」
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登場人物紹介

東堂薫(僕)

ニックネームは、かーくん。

アパレルショップで働くゆるキャラ的人間。

「なかの人、しまねっこだよね?」とリアルで言われたことがある。

東堂猛(兄)

顔よし、頭よし、武芸も達人。

でも、今回の話では何やら妙な動きをしている。

九重蘭(ここのえらん)

同居している友人……なのだが、こっちの世界では女の子?

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