第214話 バジリスク隊長戦!2

文字数 1,075文字



 鳥もちみたいな舌が空中を舞い、ぽよちゃんを襲う。ぽよちゃんはサッとよけた。よ、よかった。やられてたら石化してた。

 にしても、バジリスク隊長。なんで急に小さくなったのかな?

 なんかイヤな予感がした僕は、ぽよちゃんに頼んで、もう一回、聞き耳をしてもらった。
 すると、どういうことだろう?
 バジリスク隊長の最大HPが800に減ってる。そのかわりHPは全快していた。

「もしかして、コイツ、尻尾(ダメージ)を切りおとすことで、健康体に戻るんだっ?」

 脱皮みたいなもんかな?
 しかも尻尾を切りおとした直後は、ターンがリセットされるのか、もう一回、行動することができるようだ。
 傷を治しながら攻撃もしてくる。
 イヤな技を使うなぁ。

「尻尾を切ることで、最大HPが約200減った。HP0にはできないから、最小で200までは行けるのかな? とすると、あと三回は尻尾切りができる」

 うーん。めんどくさい。
 やっかいなのは尻尾切りのあとは再行動してくること。
 さっき、ぽよちゃんはさけてくれたからいいけど、もし石化されてたら、一人また一人と戦闘不能になっていた。

「バジリスクの弱点は風属性魔法だって。僕ら、誰も使えないよね」

 風かぁ。風属性魔法は生まれつきの素質がある人しか覚えられないって、ワレスさんが言ってたなぁ。
 今のメンバーのなかには、風属性魔法を習得する仲間はいないみたいだ。
 しかたない。
 ここはコツコツとけずっていくしかないね。

「バランとぽよちゃんは1ターンめと同じで。アンドーくんは『燃えつきろ〜』。僕はクリティカルに期待してみる」

 次のターンの攻撃。
 バランの薔薇〜
 もっとがんばろ〜が重ねがけで、力がみなぎってくる。
 バランが二回、バジリスクのすねを叩いた。300のダメージ! 弁慶の泣き所を300……かわいそうに。
 次はぽよちゃんだ。
 220ダメージで合計520。
 アンドーくんの燃えつきろでは80。
 600のダメージを与えた。
 僕の攻撃がクリティカルなら300は行くから、バジリスク隊長を倒せる!

 ところがだ。
 肝心のときにクリティカルじゃなかった。魔法とあわせても180のダメージしか与えられない。たった20だけど、バジリスク隊長のHPが残った。

 むう。これは……。

 思ったとおりだ。
 バジリスク隊長はまたもや尻尾切りをした。
 来るぞ。石化攻撃だ!
 あの赤い舌に気をつけないと。
 と思ったのも、つかのま。
 直後にバジリスクは思わぬ行動をとった。体が石になり、ピクリとも動かなくなったのだ。

 ああっ、これか。
 石化って。
 自分が石になっちゃうのか。
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登場人物紹介

東堂薫(僕)

ニックネームは、かーくん。

アパレルショップで働くゆるキャラ的人間。

「なかの人、しまねっこだよね?」とリアルで言われたことがある。

東堂猛(兄)

顔よし、頭よし、武芸も達人。

でも、今回の話では何やら妙な動きをしている。

九重蘭(ここのえらん)

同居している友人……なのだが、こっちの世界では女の子?

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