第384話 ん? 夢?

文字数 506文字


 むにゃむにゃ……。
 むにゃむにゃむにゃ……。
 むにゃ? むにゃむにゃ……。

「…………くん。かーくん。起きてくださいよ。かーくん!」

 僕はゆり起こされて目をあける。

「あれ? ロラン?」
「僕の名前は蘭です。なに言ってるんですか? かーくん。寝ぼけてるの?」

 むっ?
 ここは……なつかしの我が家っ?
 ああっ、コタツ板にヨダレが!
 長い夢、見てたなぁ。
 やっぱり夢かぁ。
 なーんだ。よかった。

「かーくんも猛さんも、ずっと寝てるんだもん。僕、お腹すきました。お昼ご飯、作ってくださいよ」
「うん。待っててね」

 インスタントラーメンを野菜たっぷりですするころには、猛も起きてくる。

「やぁ、なんか変な夢、見てたよ」
「なんちゃってネズミランドで冒険する夢でしょ? それなら僕も見たよ」
「そっか。やっぱ兄弟だな」
「だねぇ〜」
「かーくん。おれもラーメン」
「あいかわらず大食らい〜」

 お気楽な会話ののち、ミャーコとたわむれてるうちに、またもや眠気が……。

 えーと、また変なものが見えるんだよねぇ。
 今度はなんだ?


 かーくん。かーくんさん。
 どうか、お願いしますね。
 わたしたちの世界を救って——



 東堂兄弟の冒険録
『悪のヤドリギ編』
 完


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登場人物紹介

東堂薫(僕)

ニックネームは、かーくん。

アパレルショップで働くゆるキャラ的人間。

「なかの人、しまねっこだよね?」とリアルで言われたことがある。

東堂猛(兄)

顔よし、頭よし、武芸も達人。

でも、今回の話では何やら妙な動きをしている。

九重蘭(ここのえらん)

同居している友人……なのだが、こっちの世界では女の子?

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