第67話 まさか、ブラン王は……?
文字数 782文字
「スズラン!」
「お兄さま!」
抱きあってる兄妹は、男女の差こそあれ、ほんとに見ためは絶世の美女姉妹。
蘭さんが男なぶん、ちょっとだけ中性的なので、身長も高く、一、二歳年上に見える。
それにしても、そうかぁ。
ここで鈴蘭が来たか。
じつは、これも僕の小説のキャラクターだ。
えーと、カクヨムではまだ公開してないんで、ザッと説明すると、蘭さんのクローンがある女性に体外受精で授かった遺伝子上の娘。
それが鈴蘭だ。
誰にも言ってなかったけど、鈴蘭のイメージは美月ちゃんかな? なんて、ひそかに思ってたんだよ。ランチ〇〇探偵のショートカットも可愛いよね。
はぁ……可愛いなぁ。鈴蘭。
さっきの冷たい視線はきっと気のせいだ。
ま、まさかと思うけど、ツンデレじゃないよね?
こんなに清楚で可憐で可愛いんだもんな。絶対、違う。ツンデレなんかじゃない!
僕がそんなことを考えているところに、うーんとうなって、安藤くんが起きてきた。
「あれ? ここは? おれ、なんで、こぎゃんとこにおうかいね?」
「…………」
ごめん。安藤くん。
僕の設定そのままだね。
出雲弁まるだしだ。
でも、これで、やっぱり安藤くんは悪のヤドリギにあやつられてただけなんだとわかった。
悪のヤドリギって、アレだよね?
神殿で聞いたばっかりの魔王の四天王の一人だ。魔物だから一人じゃないのか。柱? ソロモン七十二柱とかの柱。本来は神様や仏様の数えかただ。神様と悪魔の単位が同じって変な気がするなぁ。
まあ、そんなことはいい。
問題はヤドリギだ。
なんで、ブラン王の兵士が四天王の一柱にあやつられてるんだ?
たまたま?
いや、でも、ブラン王の命令だって話してたもんね。
ミルキー城には不審な連中が出入り……とてつもなく嫌な予感がするんだけど!