第156話 いろいろ買いこんで

文字数 886文字



 僕の“小説を書く”はやっぱりチートだなぁ。なんでもできちゃうぞ。

 満足がいったところで、あらためてお品書きを見る。
 呪いつきではあるものの、ほかにも気になる商品があった。

 武器では、薔薇水晶(ローズクォーツ)の杖とか、小悪魔のハープとか、騎士長の長槍とか、コビット王の剣とか。ん? コビットにも王様いるのか。世界樹の枝先とか。シルバーナイフとか。
 防具は竜鱗(りゅうりん)シリーズってのがあって、竜のウロコを原料にしたよろいや盾、かぶとなどだ。アンドーくんが着てる軽鎧の系統のようだ。
 装飾品にも、天使の羽飾りとか、人魚の瞳とか、月光の結晶とか、何個か気になるものがある。
 数値のよさそうなものをあれこれ見つくろって、合計でこれまた二十万以上を使う。

「いいですか? 呪いつきの装備品は、呪いをとくまで装備しちゃいけませんよ? 外せなくなるので。呪いの装備をつけていると、戦闘中に動けなくなったり、MPが減ったり、急に失神したり、ちょいちょいイヤなめにあいますよ」

 じゃあ、ちゃんと呪い解いてから売ってほしい……。

 僕はウッカリ装備してしまわないよう、買いこんだ商品を全部、ミャーコの背中に押しこんだ。
 早く精霊王の剣(レプリカ)が使えるようになりたいなぁ。
 僕が呪いをとく呪文をおぼえればいいんだよな。商人がおぼえる。

「じゃあ、休憩させてください」
「はいよ。六人で三千円ですね」
「えっ? 僕ら四人だけど」
「人間成人二人、子ども一人、ぽよぽよ、火の玉、コビットで六人だ」
「えっ? ぽよちゃんはポシェットに入ってるし、コビットは戦闘員じゃないんだけど?」
「カァーッ! ビタ一文まけません!」

 い、いいんだけどね。三千円くらい。

 一休みすると、HPとMPが全回復した。

「それじゃ、僕らはこれで」
「ありがとうございました。またのお越しをお待ちしております」

 幽霊店主とわかれて、僕らは四階へむかう。
 あッ、忘れてた。店主の名前、聞いとけばよかったな。
 あんだけ強烈な個性だ。またいつか出会うような気がする。
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登場人物紹介

東堂薫(僕)

ニックネームは、かーくん。

アパレルショップで働くゆるキャラ的人間。

「なかの人、しまねっこだよね?」とリアルで言われたことがある。

東堂猛(兄)

顔よし、頭よし、武芸も達人。

でも、今回の話では何やら妙な動きをしている。

九重蘭(ここのえらん)

同居している友人……なのだが、こっちの世界では女の子?

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