第43話 アナコンダ戦! 2

文字数 762文字



 僕は叫んだ。

「ロラン! 次のターンで毒消し草使って。シャケは薬草でロランを回復。僕が大ムカデ倒すから。そしたら、その次のターンで立てなおせる」
「わ……わかりました」
「おっしゃ。了解や」

 リーダーでもないのに、思わず、でしゃばっちゃった。

 僕らは次のターンの開始時に、全員、蘭さんのそばに集まった。
 大ムカデがまだ、蘭さんのそばにいたからだ。毒消し草、薬草で蘭さんのダメージは消えた。

 そばにいるムカデを、僕はザクリと一刀両断!
 あっ。輪切りになるんだ。
 頭は固いから切れないのか。
 なんか、これはあきらかに殺しちゃった気がする。でも、相手が害虫なせいか、あんまり良心が痛まない。
 人間って勝手だなぁ。ごめんよ。ムカデくん。

 そして、そのあとだ。
 ぽよちゃんが、またあの謎の行動をとると、次はアナコンダの番だ。
 お供がいなくなったことでアナコンダは怒ってるみたいだ。

 僕らはまだ、アナコンダにはほとんどダメージを与えてない。
 三村くんが二回ほど、ブーメランで殴っただけだ。ブーメランは全体攻撃ができるぶん、単体へのダメージは少ない。二回あわせても、アナコンダが受けたダメージは、僕が剣で一発なぐったのと変わらないと思う。

 なのに、こっちのこの追いつめられた感がハンパない。
 ヤバイんじゃないだろうか?

 すると、アナコンダは勝ち誇ったように、体をゆらりと揺らした。
 体を丸めたのち、カアッと口をひらくと、黒い霧を吐きだしてきた。
 ポイズンブレスだ!

 僕らは三人とも毒にやられた。
 マズイ。
 次のターンでそれぞれ毒消し草を使うとしても、HPは回復できないし、攻撃にも移れない。
 いっきにピンチになってしまった。

 どうするッ? かーくん?
(自問自答)
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登場人物紹介

東堂薫(僕)

ニックネームは、かーくん。

アパレルショップで働くゆるキャラ的人間。

「なかの人、しまねっこだよね?」とリアルで言われたことがある。

東堂猛(兄)

顔よし、頭よし、武芸も達人。

でも、今回の話では何やら妙な動きをしている。

九重蘭(ここのえらん)

同居している友人……なのだが、こっちの世界では女の子?

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