第13話 怪しげな扉 これはフラグってやつですね

文字数 849文字



「じゃ。ありがとうございました」

 鬼教官トーマス(名前聞いた)と別れて、僕と三村くんは城内の探検を続ける。
 訓練所のすぐそばに地下へおりていく階段があった。

 階段の降り口に、いっぱいツボが並んでいた。
 ひ、光ってる!
 ヤッター! 割ってもいいツボだぁ。
 僕は一心不乱にツボを壁にむかって投げつけた。
 これ、やってみると、めちゃくちゃ楽しい。いいぐあいの音でキレイに割れていく。ストレス解消。
 しかも、たまに小銭とか出てくる。薬草みっけ。ん? いつもと違う感じの葉っぱだな。薬草は緑だけど、これは紫だ。紫蘇(しそ)っぽいぞ。

「あっ、それは毒消し草やな。今後、必要になってくるし、大事にとっときや」
「へ〜い」

 商人がとなりにいると便利だなぁ。
 毒消し草はしっかり、ミャーコ形のポーチへ、ぽい。なんでもかんでも、いい感じに入ってくれるなぁ。さすがは四次元ポケット。

 さて、全部のツボを割りおわったので、さらに奥へと歩いていく。
 牢屋があった。鉄格子の部屋が二つ。でも、無人だ。片っぽの牢のなかには宝箱が二つ並んでる。

「ああ……見えるのにとれないタイプの宝箱ね。悔しいやつだね」
「この世界のどっかに、どんな鍵でもあけることができる魔法の鍵ちゅうもんがあるらしいで」

 そのセリフ、某ゲームのなかで、さんざん聞いたよ。三村くん。
 たぶん、牢屋の鍵とか、魔法の鍵とか、最後の鍵とか、何種類かあるんだ。

 そこからさらに奥へむかっていくと、とつぜん、デンと巨大な両扉が僕らの前に立ちふさがった。重々しい鉄の扉だ。扉の色が赤だね。

「これは……鍵がかかってる。なか、どうなってるのかな?」
「さあなぁ。まあ、おれら行かれへんから、今んとこ関係ないな」

 うーん、そうかな?
 こういうのって、たいてい秘密の地下道だったりするよね?
 こっそりお城から脱出するとか、逆に外から侵入するとか。

 なんかちょっと、嫌な予感が……。
 このお城、大丈夫だよね?
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登場人物紹介

東堂薫(僕)

ニックネームは、かーくん。

アパレルショップで働くゆるキャラ的人間。

「なかの人、しまねっこだよね?」とリアルで言われたことがある。

東堂猛(兄)

顔よし、頭よし、武芸も達人。

でも、今回の話では何やら妙な動きをしている。

九重蘭(ここのえらん)

同居している友人……なのだが、こっちの世界では女の子?

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