第311話 火竜戦!1

文字数 1,179文字



 国境でいきなりボス戦かぁ。
 さきが思いやられるなぁ。
 ワレスさんから条件をつけられたんで、僕らは前衛で戦う四人を相談した。ワレスさんが援護してくれるなら、全滅することはないだろうしな。

「自動発動はいいんですよね。でしたら、バランは外せないです」
「今の最強メンバーで行ったほうがええんちゃうん?」
「そげだねぇ。わのトドメはHPの高い相手には、あんまし効かんけん、今回はやめとくわ」
「かーくんの風神のブーツは自動発動のうちですよね?」
「自分で呪文となえるわけじゃないからね」
「じゃあ、かーくんは素早さ上げて、ガンガン叩いてほしいです。クリティカルも出やすいし」
「ロランのクィーンドラゴンの鞭って、ドラゴン系に二倍のダメージだよね?」
「じゃあ、僕とかーくん、バラン。残る一人は誰にしよう?」
「クマりんか、ぽよちゃん。モリーでもいいかも」
「ケロちゃんの自動石化、効くかなぁ?」
「レベル高い相手には効きにくいよね」
「じゃあ、クマりんかな。実質、三体いるのと同じだから」
「だよね」

 やっと相談がまとまった。

「では、行くぞ」

 ワレスさんが歩いていくので、僕らはそのあとをついていった。
 ワレスさんなら一人で火竜も倒せるんだろうなぁ。
 数値をちょこっとのぞくと、レベルが53になってる。職業マスターボーナスの補正値も、この前より上がってる。今の職業はまた聖騎士に戻ってるけど、マスター中だけ新しい職業に転職してるんだな。
 この人、全職業制覇するつもりなのかな?

 でも、僕だって、けっこう負けてないぞ。ふふふ。この三日間、職業おぼえるついでに、せっせとつまみ食いしたからね。僕の今の数値は、これだ!
 レベルは26になった。
 HP1074『949』、MP570『389』、力243(279)『225』、体力255(293)『190』、知力254『132』、素早さ247『176』、器用さ246『145』、幸運99998。

 レベル26でHPなんか、ワレスさんに匹敵するんだよっ?
 しかもそのうちの950ほどがチューチューで得た数値だ。つまみ食いしてると、反動でレベルアップ時のステータスの増加が激減するとは言え、もともとの数値のなんて低いこと。
 つまみ食い様々だね。
 職業は大富豪。職業補正で力と体力が15%アップしてるしね。

 火竜が目の前に迫る。
 近くで見ると、ほんとデカイなぁ。
 特訓前の僕らなら、尻尾を巻いて逃げだしてるとこだ。

 ジャラララーンジャラーンと激しい音楽が流れだす。
 戦闘圏内に入った。


 火竜が現れた!
 火竜の先制攻撃。
 火竜の雄叫び。
 火竜のブレス攻撃の威力が高まった!


 ああっ、先制攻撃されてしまった。
 まあね。ずっと遠くから見てたから、ドラゴンだって待ちかまえてるよね。
 でも、攻撃にはいたらない。
 よかった。素早さがこっちのほうが高いんだ。

 戦闘開始!
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登場人物紹介

東堂薫(僕)

ニックネームは、かーくん。

アパレルショップで働くゆるキャラ的人間。

「なかの人、しまねっこだよね?」とリアルで言われたことがある。

東堂猛(兄)

顔よし、頭よし、武芸も達人。

でも、今回の話では何やら妙な動きをしている。

九重蘭(ここのえらん)

同居している友人……なのだが、こっちの世界では女の子?

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