第225話 ポルッカ戦!3

文字数 944文字


 モンスターのターンだ。
 素早さはバジリスク隊長のほうがポルッカさんより高いらしい。まあ、チョコマカ素早く動く老人って、異様だからね。

 バジリスク隊長ABは、ペロンと舌を伸ばしてきた。
 Aは三村くんを、Bは僕を狙ってきたけど、三村くんは石化無効だし、僕のことはバランが守ってくれる。
 守るは攻守に秀でた技だね。
 カウンターをくらって、バジリスク隊長Bは100ダメージを受けた。舌にパンチだよ。バジリスク隊長B、だらんと舌をたらして涙を流す。あっ、バジリスクの涙だぁー。ほ、欲しい。

 怖い石化攻撃がすんだんで、あとは目がくらんでるおばあさんだけだ。
 次のこっちのターンで両側のバジリスク隊長は確実にしとめられるしね。
 楽勝。楽勝。

 これがよくないんだよね。
 いつも油断すると思わぬ反撃をくらうんだ。
 うん。わかってる。

 目をしばしばさせたポルッカさんが叫ぶ。
「誰かー。来ておくれー!」

 仲間呼びか。めんどくさいな。
 お供を呼ぶボスだったんだ。
 やってきたのはケロよんだった。
 それも、一回呼んだだけで二匹来た。

「ああーッ! ケロよんはターンの開始時に自動発動の石化攻撃してくるやつだよ。気をつけようね」

 これで石化攻撃してくる敵が四体に……。
 三村くんとバランだけでも石化を受けつけなくできといて、ほんとよかった。

 ポルッカさんの行動はケロよんを呼ぶだけだった。ケロよんAとケロよんBだ。

 2ターンめに入る。
 来た、来た。石化のペロン!
 ケロよんの舌が空中に伸びる。
 ん? どんどん迫ってくる?
 うわッ! 赤い舌が視界いっぱいに!
 僕がターゲットか。
 でも、あれだ。僕のことはバランが守ってくれるんだもんねぇ。安心。安心。

 あんし……えっ?
 なめられたーッ!
 なんで守ってくんないの?

「あっ、かーくんさん。申しわけありません。かばうも守るも自動発動の技には反応しません」

 バラン……もっと早く言っといてよ。
 うーん。僕の世界が灰色に……。
 僕が石になっていくぅ〜
 語尾に〜ってつけると、どんな言葉でも楽しそうだよね。
 なんて考えてる場合か?
 ごめん。みんな。かーくんはリタイアです。

 僕は戦いを残りのメンバーに託したのだった。くすん。最後まで戦いたかったよ。
 おばあちゃんを甘く見てました。
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登場人物紹介

東堂薫(僕)

ニックネームは、かーくん。

アパレルショップで働くゆるキャラ的人間。

「なかの人、しまねっこだよね?」とリアルで言われたことがある。

東堂猛(兄)

顔よし、頭よし、武芸も達人。

でも、今回の話では何やら妙な動きをしている。

九重蘭(ここのえらん)

同居している友人……なのだが、こっちの世界では女の子?

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