第111話 さてと、情報。情報〜
文字数 993文字
へへへ。へへへへ。
笑いが止まらないっていうのは、こういうことだねぇ。へへへへへ……。
いいなぁ。僕はこの世界に来て幸せだ。ありがとう。僕の小銭無双!
ドンと二十万を寄付した僕は、いっきに称号が十も増えて、ランクもCになった。あとは仕事系と戦闘系の称号を増やして、買い物もたくさんしてポイントためて、救助で貢献度をあげていけば、ランクBにはすぐなれるって話だ。
ちなみにランクDに上がると、買い物はボイクド国内にいるかぎり、加盟店のどこで買っても3%オフ。ランクCなら5%オフだ。イオンの感謝デー並みのサービスを受けれる。ふふふ。
ランクBなら10%オフらしいので、早くBになりたいもんだ。消費税を免除されてる気分になれる。
5%オフになったところで、雑貨屋に行って、薬草や、もっといい薬草を買いまくった。
経験値稼ぎのために魔物を呼びよせる、魔物の草笛も買った。草笛なんで、一回ずつの消耗品。
あと、最後にお祈りした街や村に一瞬で帰れる“旅人のお守り”や、ダンジョンの途中から地上に脱出できる“旅人のドアノブ”は大量に買った。旅人のお守りは僕には必要ないけど、あとでみんなにくばっておこう。
それでも一万円ほどにしかならなかったが。
じゃあ、お待たせの情報屋だ。
怪しいキャラバンについて何か聞けるかもしれない。
情報屋は二階のかたすみにあった。
ちょっと見すごしてしまいそうな廊下のつきあたりだ。
たぶん、ヒゲだらけの冴えない感じのおじさんが受付なんだろうなと思ってたのに、そこに座っていたのは、いかした冒険者風のお姉さんだった。カウガールっぽいウエスタンスタイルで、鞭をぶらさげた赤毛の美人だ。
「は、初めまして。情報が欲しいんですが」
「情報レベルは?」
「えーと……初めてなんで、よくわからないんですが」
「情報の機密度によって値段が違うんだよ。冒険者ランクによっても聞ける話は違うけどね。とりあえず、何について聞きたいか言ってみな」
うーん。男口調のカッコイイお姉さんだ。
「じゃあ、最近、あちこちで街や村を襲ってる怪しいキャラバンについてです。今、この街の近くにいるはずなんですよ」
お姉さんはしばらく考えこんだ。
「じゃあ、情報料に二百円払いな」
はいはい。払いますよぉ。二百円なんて、チョロいんだもんねぇ〜。