第213話 バジリスク隊長戦!1

文字数 966文字



 よろいを着たデッカいトカゲ。
 身長は二メートル。
 クルウよりちょい高い。
 あっ、あの黒髪ツンツン隊長と同じくらいだ。
 お供はいない。
 野生じゃないのが気になるなぁ。

「ぽよちゃん。聞き耳、お願い!」
「キュイ〜!」

 バジリスク隊長のHPは……ん? 999?
 低くない?
 ボスにしては、やけに低いなぁ。
 ほかのステータスもふつうの戦士系。
 行動パターンは石化と石化攻撃と、トカゲの尻尾切り。
 ふーん?
 石化と石化攻撃はわかるとして、トカゲの尻尾切りってなんだろう?

 いつもこの“なんだろう?”をほったらかしにしとくから、あとで痛いめみるんだけど、あるていどしかたないとこもある。
 ぽよちゃんの聞き耳は便利なんだけど、自分たちのステータスほど詳しくは見れないんだよねぇ。詳細説明ってやつも見れたら、もっと対策の練りようがあるんだけど。

「じゃ、さっきの作戦で!」
「ラジャー」
「キュイ〜」
「了解いたしました」

 バランの薔薇〜
 いいね。何回見ても美しいね。香りもいいしさぁ。アロマリッチの匂いがする——って洗濯物かよ! って誰かにツッコんでほしい。

 バランはさっきのでこりたのか、守るは使わず通常攻撃をした。二連続攻撃だ。ローズクォーツの杖の攻撃力はそんなに高くないんだけど、薔薇の効果でステータス上がってるから、カツン、カツンと、バジリスクのすねを叩いただけで、120ダメずつ、けずれていく。

 続いて、ぽよちゃん。
 妖精のネイルが右、左と青い鱗粉を空中に輝かせる。
 ぽよちゃんも120×二回か。

 アンドーくんは、とりあえず、みんな巻き。みんなでグルグルに巻かれた。

 続いて僕の攻撃だ。
 バジリスク隊長は素早くはないんで、タターッと走っていって、頭をボコンと叩く。かぶとのせいで切るというより、叩く。
 それでもクリティカルがキマった!
 追加効果の燃えつきろ〜

 いっきに300けずれたね。
 合計780のダメージだ。
 あとひと押し。
 こんなに、あっけなく勝っちゃっていいのか?

 と勝利を確信したときだ。
 次のターン、バジリスク隊長は変な行動をとった。
 チョキンと剣で自分の尻尾を切ったのだ。
 トカゲの尻尾切り……。

 なんだろうか?
 バジリスク隊長の体が、ひとまわり小さくなったような気がする。

 バジリスク隊長が襲ってきた。
 長い舌がピロンと伸びる!
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登場人物紹介

東堂薫(僕)

ニックネームは、かーくん。

アパレルショップで働くゆるキャラ的人間。

「なかの人、しまねっこだよね?」とリアルで言われたことがある。

東堂猛(兄)

顔よし、頭よし、武芸も達人。

でも、今回の話では何やら妙な動きをしている。

九重蘭(ここのえらん)

同居している友人……なのだが、こっちの世界では女の子?

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