283 _________________ ‐3rd part‐
文字数 1,225文字
ではオレも、至って普段どおりに、オレらしく──。
「学生の間では、ヒモ付きスマホとかイヌっころスマホって呼ばれてて、それさえ気にしなけりゃ、契約外のコンテンツを除いて一切無料だしね」
「財団のヒモかイヌってことー?」
「まぁ。ある意味、在栖川に入った時点で既に全員がそうなんだけれど。あ、となると早速ムーヴィンスナッチが使えるかも。葉植さん知ってた? ヴィーの奴がそれのCMに出てるんですよ」
「知ってたー、でもボクには関係ないのー。だから、ただちに今日の午後にでもスマホの契約しに行こーっ。アラッキニじゃない会社のにねー、今度はボクが料金を払ってあげるからー」
「え~っ、そこまで神経質にならないでくださいよぉ。オレにだって、大部分を聞いて納得しちゃったって言う、共犯者に近い意識はあるんですから。当然それ相当の、責任をもった言動を心懸けますってば」
「……って、イヤ楯クンッ」
「ミラノのことを教えてもらうにしたって、
「おやおやぁ、二人して、何を仲好く愉しそうに話しちゃってるのかなかなぁ~? そんな暗い隅っこで、物凄ーく怪しいんだよ」
「ミラノ……」
少し離れてトリノさんも。二人して全身スニーカーまで真っ白だから、オレからすれば、そっちの方が怪しげに映る。
まるで、テラスから生え出て来たコンクリートの精みたい。
「ほらー。もーまさに今、口を滑らせちゃってるー。楯クンの口軽が禍 して警察が嗅ぎ廻りだしたりしたら、悪友として、楯クンにも罪をなすりつけるからねー。憶えときー」
「……すみません」
「楯、もう帰る帰るぅ。ワタシもおネムになってきちゃったよ。おハルもソファーで睡魔と闘ってるてる」
「うん、あっ葉植さん? オレ、何か手伝うことありますか」
「いーの。楯クンと二人でするとー、きっと危険に晒されるのはボクだから、心置きなくお帰りあそばせー。もー盗聴はしないけど、盗聴器はTVの電源プラグがそーだから、イヤならはずしてー。分解ができないよーに接着してあるけどー」
ったく。そんな風にまでされているとなると、内部電源があるかもだから、はずすだけじゃなく、壊して捨てる手間までかかるじゃんか。
「ん~、とにかくお先に失礼させていただきます、ガチで気をつけてくださいよ」
「バイバーイまた今日の午後ね。それまでスマホのことは考えちゃ絶対ダメー、ボクは親友やめたくないしー」
「わかりましたって。じゃぁ葉植さんイチオシの機種とプランを決めて、お昼過ぎにでもウチに来てください。それまでに、ビジネスの初収入をスマホの料金で崩す覚悟を、どうにか固めておきますから」
──葉植さんを残して階段を下りきり、オレはミラノたちが立ち並ぶ方へ向かう。
嗚呼……なんか、全て方 がついたのか、一山越えただけなのか、それとも、これからまた、何かとんでもない波乱が始まるのか?
まるでわからないけれど、とにかく腹減ったぁ~。
「学生の間では、ヒモ付きスマホとかイヌっころスマホって呼ばれてて、それさえ気にしなけりゃ、契約外のコンテンツを除いて一切無料だしね」
「財団のヒモかイヌってことー?」
「まぁ。ある意味、在栖川に入った時点で既に全員がそうなんだけれど。あ、となると早速ムーヴィンスナッチが使えるかも。葉植さん知ってた? ヴィーの奴がそれのCMに出てるんですよ」
「知ってたー、でもボクには関係ないのー。だから、ただちに今日の午後にでもスマホの契約しに行こーっ。アラッキニじゃない会社のにねー、今度はボクが料金を払ってあげるからー」
「え~っ、そこまで神経質にならないでくださいよぉ。オレにだって、大部分を聞いて納得しちゃったって言う、共犯者に近い意識はあるんですから。当然それ相当の、責任をもった言動を心懸けますってば」
「……って、イヤ楯クンッ」
「ミラノのことを教えてもらうにしたって、
母親殺し
云云なんて、ヤバげな言葉は、口を滑らせたりもしやしませんから」「おやおやぁ、二人して、何を仲好く愉しそうに話しちゃってるのかなかなぁ~? そんな暗い隅っこで、物凄ーく怪しいんだよ」
「ミラノ……」
少し離れてトリノさんも。二人して全身スニーカーまで真っ白だから、オレからすれば、そっちの方が怪しげに映る。
まるで、テラスから生え出て来たコンクリートの精みたい。
「ほらー。もーまさに今、口を滑らせちゃってるー。楯クンの口軽が
「……すみません」
「楯、もう帰る帰るぅ。ワタシもおネムになってきちゃったよ。おハルもソファーで睡魔と闘ってるてる」
「うん、あっ葉植さん? オレ、何か手伝うことありますか」
「いーの。楯クンと二人でするとー、きっと危険に晒されるのはボクだから、心置きなくお帰りあそばせー。もー盗聴はしないけど、盗聴器はTVの電源プラグがそーだから、イヤならはずしてー。分解ができないよーに接着してあるけどー」
ったく。そんな風にまでされているとなると、内部電源があるかもだから、はずすだけじゃなく、壊して捨てる手間までかかるじゃんか。
「ん~、とにかくお先に失礼させていただきます、ガチで気をつけてくださいよ」
「バイバーイまた今日の午後ね。それまでスマホのことは考えちゃ絶対ダメー、ボクは親友やめたくないしー」
「わかりましたって。じゃぁ葉植さんイチオシの機種とプランを決めて、お昼過ぎにでもウチに来てください。それまでに、ビジネスの初収入をスマホの料金で崩す覚悟を、どうにか固めておきますから」
──葉植さんを残して階段を下りきり、オレはミラノたちが立ち並ぶ方へ向かう。
嗚呼……なんか、全て
まるでわからないけれど、とにかく腹減ったぁ~。