198 __________ ‐2nd part‐
文字数 1,665文字
とり敢えず気を取りなおして、オレは言うまでもない本心を言葉にしておく。
「まぁでも、ミラノさんが、こんな風にいろいろとオレにしてくれるから、早くダメダメじゃなくなりたいんだよね。来週から大学も始まるし、根上の四九日にも間に合わせたいし。どうせなら、犯人たちのことを全て教えてもらった上で、証拠を押さえに行きたいからさぁ」
「私は、私のためにいろいろしてるだけだけ。だから私のことは気にしなくっていいんだよ。それに、この勢いで本当に水埜楯がダメダメじゃなくなったら、きっと私のことを好きじゃなくなるから、急いでダメダメじゃなくならないでいいのいいの」
「へ? オレは、嫌いになったりしないよ。って言うかミラノさん、オレがダメダメなままの方がいいように聞こえたんだけれど」
「私は、私のことを好きじゃなくない水埜楯がいいの、ダメダメでもいいんだよ」
「へ?」
「水埜楯がダメダメじゃなくなろうとすると、水埜楯のユラユラが明るくってキレイになるから、それは私も嬉しい嬉しい。でも私は犯人のことなんか話したくないし、水埜楯を危ない目に遭わせたり、ツラい思いなんか絶対させたくないもん」
「…………」
「なのに、水埜楯が私にお願いしてくるのは犯人のことばっかり。どしてか、自分から危ない方へツラい方へ近づくことが、ダメじゃなくなる方法だと思っちゃってる」
「だって、それは……」
「話しちゃった私も悪いけど、それは水埜楯が決めたことで、私が望んだことじゃないない。最初は犯人が誰なのかを、知りたかっただけだったじゃん」
……オレは、すっかり勘違いしていたらしい。
けれど、オレの脱ダメダメ、脱生半には喜んでくれるだけでなく、こうして即物的にも助けてくれる。
オレのしようとしていることに反対しながらも……。
それって、もしや、アンビヴァレンスってヤツだったりしちゃうんだろか、ミラノさん結構ガチにオレのことを? ウソォ~。
「ん~でも心配は要らないよ、わかるでしょ? だからオレは、ミラノさんだけには、どんなことでもダメダメと思われたくないんだ」
「ウゥ~ン……」
「ダメダメだと思われるくらいなら、死んだ方がマシなくらいにね。でも、本当に死んじまったら、それこそダメダメもいいトコだから、こうして鍛えるしかないんだって」
「だけど~……」
「それに、これでオレがダメダメじゃなくなることができれば、いつでもどこへでも、ミラノさんに胸を張って会いに行けそうな気がするんだよね。まぁ旅費を稼ぐのも大変そうだから、スグってわけにも、たびたびってわけにもいかないんだけれどさ」
「ウンウン。水埜楯が、自分で納得するトコまで、どこまでも突き進んでみればいいんだよ。もう、私がダメダメじゃないって判断する問題じゃ、なくなっちゃってるから。私は私がしてあげられることで、水埜楯を応援するくらいしかできないもん」
「うん、それはどうもだけれど……」
「ポールが今夜、水埜楯に言葉で説明してたのもね、もう水埜楯に、体で教えることがなくなっちゃったからなんだよ」
「えっ……」
「意識とか言いだしたのも、そのせいだけど、それは全部よくわかって教えてるポールにも、上手く伝えることなんかできないない。水埜楯が自分でわかるしかないんだよ」
「……そうだったんだ?」
「それはスグかもしれないし、一生かかってもダメダメかもしれないよ。このまま体やワザばかり鍛え続けても、ただそれだけってカンジちゃう。水埜楯も、だからテストとか言い出したんでしょ?」
「……ウ~ン、そうなのかも」
「私は、水埜楯のことがよくわかるけど、水埜楯の全部がわかるわけじゃないんだよ。水埜楯がやりたいこともよくわかるよ、それで水埜楯のユラユラが、ダメダメな時と違ってピカピカするのもね」
「そうなんだ?」
「でも、それが、正しいことかどうかなんてわかんないない。私は全然フツウじゃないけど、迷える羊を導いてあげる精霊とかでもないんだよ」
……ミラノさんはそう言うけれど、室内からの照明を背に受けている今は、まさに清白な後光が差す精霊みたい。
「まぁでも、ミラノさんが、こんな風にいろいろとオレにしてくれるから、早くダメダメじゃなくなりたいんだよね。来週から大学も始まるし、根上の四九日にも間に合わせたいし。どうせなら、犯人たちのことを全て教えてもらった上で、証拠を押さえに行きたいからさぁ」
「私は、私のためにいろいろしてるだけだけ。だから私のことは気にしなくっていいんだよ。それに、この勢いで本当に水埜楯がダメダメじゃなくなったら、きっと私のことを好きじゃなくなるから、急いでダメダメじゃなくならないでいいのいいの」
「へ? オレは、嫌いになったりしないよ。って言うかミラノさん、オレがダメダメなままの方がいいように聞こえたんだけれど」
「私は、私のことを好きじゃなくない水埜楯がいいの、ダメダメでもいいんだよ」
「へ?」
「水埜楯がダメダメじゃなくなろうとすると、水埜楯のユラユラが明るくってキレイになるから、それは私も嬉しい嬉しい。でも私は犯人のことなんか話したくないし、水埜楯を危ない目に遭わせたり、ツラい思いなんか絶対させたくないもん」
「…………」
「なのに、水埜楯が私にお願いしてくるのは犯人のことばっかり。どしてか、自分から危ない方へツラい方へ近づくことが、ダメじゃなくなる方法だと思っちゃってる」
「だって、それは……」
「話しちゃった私も悪いけど、それは水埜楯が決めたことで、私が望んだことじゃないない。最初は犯人が誰なのかを、知りたかっただけだったじゃん」
……オレは、すっかり勘違いしていたらしい。
けれど、オレの脱ダメダメ、脱生半には喜んでくれるだけでなく、こうして即物的にも助けてくれる。
オレのしようとしていることに反対しながらも……。
それって、もしや、アンビヴァレンスってヤツだったりしちゃうんだろか、ミラノさん結構ガチにオレのことを? ウソォ~。
「ん~でも心配は要らないよ、わかるでしょ? だからオレは、ミラノさんだけには、どんなことでもダメダメと思われたくないんだ」
「ウゥ~ン……」
「ダメダメだと思われるくらいなら、死んだ方がマシなくらいにね。でも、本当に死んじまったら、それこそダメダメもいいトコだから、こうして鍛えるしかないんだって」
「だけど~……」
「それに、これでオレがダメダメじゃなくなることができれば、いつでもどこへでも、ミラノさんに胸を張って会いに行けそうな気がするんだよね。まぁ旅費を稼ぐのも大変そうだから、スグってわけにも、たびたびってわけにもいかないんだけれどさ」
「ウンウン。水埜楯が、自分で納得するトコまで、どこまでも突き進んでみればいいんだよ。もう、私がダメダメじゃないって判断する問題じゃ、なくなっちゃってるから。私は私がしてあげられることで、水埜楯を応援するくらいしかできないもん」
「うん、それはどうもだけれど……」
「ポールが今夜、水埜楯に言葉で説明してたのもね、もう水埜楯に、体で教えることがなくなっちゃったからなんだよ」
「えっ……」
「意識とか言いだしたのも、そのせいだけど、それは全部よくわかって教えてるポールにも、上手く伝えることなんかできないない。水埜楯が自分でわかるしかないんだよ」
「……そうだったんだ?」
「それはスグかもしれないし、一生かかってもダメダメかもしれないよ。このまま体やワザばかり鍛え続けても、ただそれだけってカンジちゃう。水埜楯も、だからテストとか言い出したんでしょ?」
「……ウ~ン、そうなのかも」
「私は、水埜楯のことがよくわかるけど、水埜楯の全部がわかるわけじゃないんだよ。水埜楯がやりたいこともよくわかるよ、それで水埜楯のユラユラが、ダメダメな時と違ってピカピカするのもね」
「そうなんだ?」
「でも、それが、正しいことかどうかなんてわかんないない。私は全然フツウじゃないけど、迷える羊を導いてあげる精霊とかでもないんだよ」
……ミラノさんはそう言うけれど、室内からの照明を背に受けている今は、まさに清白な後光が差す精霊みたい。