207 ______________ ‐2nd part‐
文字数 1,582文字
「わからないけど、楯は楯のやりたいようにやるやる、ワタシもやるやる、それでいいのいいのってことだよ。ワタシだって、昨日の夜に、楯よりも強く決意しちゃってるんだから、絶対負けない負けない絶対っ」
なんか、ミラノしてはいつになくマジメな、トリノさん顔になってるけれど……。
そんなミラノの表情から、オレも何かを読み取ろうとはしながらも……やっぱりダメダメ、錯雑としてくるばかり。
「え~と。また、よくわからない話になっちゃったんだけれど」
「ワタシも楯も、自分のままで生きてくことを、周りが許してくれなかったソックリこん同士だもん、よくわからなくてもいいのいいのっ」
「ん~……」
「楯は私のこと、カレシいるのかな、ヴァージンなのかなかな? って、独りでスケベエに、ジタバタしてたことがあるよね?」
「なっ! いきなりそんな、いや、そんなことだけ考えたわけじゃ……ゴメンなさい。でも、フツウ男なら考えちゃうもんなんだよ、好きになった人は特にさぁ」
「いいんだよ、もっとスケベエを考えてたことだって知ってるもん。そんなことじゃ怒らないし、楯を好きじゃなくなったりもしないない。ガマンするとおかしくなるから、どんどん考えていいんだよ」
「うわっ恥じぃ~。ミラノに、チカラがあるって知る前のことだから、不可抗力でしょ? もう許してよ、こんな往来でさぁ」
「でしょでしょ? フツウはもっと、物凄く反応するのがフツウなんだよ」
「……まぁ確かに、そうズバズバ指摘されたら誰もがヒくかも。まぁ、リフラフのプレブスあつかいで育ったオレは、慣れっコだけれど。でも怒ってないなら、なぜまた唐突なまでに、そんなことを言い出すわけ?」
「ウン。こんなに大きくなったのに、私はまだメナーキがないんだよ。私はきっと子供なんか産めないし、シャグシャグもダメかもかも。私は病気じゃないのに、女として、人間として、ダメダメなんだよ。ちゃんと検査したら、私は人間じゃないかもしれないよ」
「…………」
あぁ、あの、キッチンでタックルされた時に言ってたのは……なるほどねぇ。
ったく、女のコがシャグシャグだなんて。まぁ引っかかってはいたけれど、ミラノが言った
「グルングルンだよ楯、ワタシまでグルグルンッ。だけど、私に言わせたのは楯なんだよ。いつかは言わなくちゃダメだから、言える時がきたら、どんどん言っちゃおうって、昨日の夜に決心したんだよ」
「……そう、だったんだ?」
「そうだったんだよ」
「もしかして、その体のことってのが、オレが、ミラノを嫌いになる決定的な理由だと思ってるわけ?」
「嫌いになるんじゃなくて、好きじゃなくなるんだよ。それでまた、ワタシと楯のバランスがとれることになるから、楯が決定的に、ワタシを好きじゃなくならないってわかってるもん」
「……なら、どしてそんなこと言い出すかなぁ?」
「だって、楯が殺されちゃったら、全部が無意味になるなる。どんなにガンバって、決心しても、ワタシはもう、一〇〇パーセント独りぼっちってことだよ。グアスタは寿命がもうないない、死んじゃう前にミラーノへ帰してあげたの。だからワタシは日本に来たんだよ、そしたら楯を見つけちゃった」
「……そうだったんだ?」
「楯がワタシを好きでいてくれる内は、甘えちゃうことに決めたんだもん。楯が、ワタシを好きじゃなくなったってガンバるんだもん。ワタシだって、独りぼっちなんか絶対絶対イヤイヤなんだよっ」
! ──ミラノが握る力を強めたわけでもないのに、つないでいる左手に、静電気のような痛みが走った。
それと同時に、何やら、イタリア語らしき言葉がオレの脳裏でも反響する。
おそらく、ミラノの思念が、つないだ手から伝わってきたんだ。
そして思いきり、また手加減ナシにオレを抱き寄せてもくる……。
なんか、ミラノしてはいつになくマジメな、トリノさん顔になってるけれど……。
そんなミラノの表情から、オレも何かを読み取ろうとはしながらも……やっぱりダメダメ、錯雑としてくるばかり。
「え~と。また、よくわからない話になっちゃったんだけれど」
「ワタシも楯も、自分のままで生きてくことを、周りが許してくれなかったソックリこん同士だもん、よくわからなくてもいいのいいのっ」
「ん~……」
「楯は私のこと、カレシいるのかな、ヴァージンなのかなかな? って、独りでスケベエに、ジタバタしてたことがあるよね?」
「なっ! いきなりそんな、いや、そんなことだけ考えたわけじゃ……ゴメンなさい。でも、フツウ男なら考えちゃうもんなんだよ、好きになった人は特にさぁ」
「いいんだよ、もっとスケベエを考えてたことだって知ってるもん。そんなことじゃ怒らないし、楯を好きじゃなくなったりもしないない。ガマンするとおかしくなるから、どんどん考えていいんだよ」
「うわっ恥じぃ~。ミラノに、チカラがあるって知る前のことだから、不可抗力でしょ? もう許してよ、こんな往来でさぁ」
「でしょでしょ? フツウはもっと、物凄く反応するのがフツウなんだよ」
「……まぁ確かに、そうズバズバ指摘されたら誰もがヒくかも。まぁ、リフラフのプレブスあつかいで育ったオレは、慣れっコだけれど。でも怒ってないなら、なぜまた唐突なまでに、そんなことを言い出すわけ?」
「ウン。こんなに大きくなったのに、私はまだメナーキがないんだよ。私はきっと子供なんか産めないし、シャグシャグもダメかもかも。私は病気じゃないのに、女として、人間として、ダメダメなんだよ。ちゃんと検査したら、私は人間じゃないかもしれないよ」
「…………」
あぁ、あの、キッチンでタックルされた時に言ってたのは……なるほどねぇ。
ったく、女のコがシャグシャグだなんて。まぁ引っかかってはいたけれど、ミラノが言った
私がオトナになれたら
ってのは、そう言う意味だったのか……でも。「グルングルンだよ楯、ワタシまでグルグルンッ。だけど、私に言わせたのは楯なんだよ。いつかは言わなくちゃダメだから、言える時がきたら、どんどん言っちゃおうって、昨日の夜に決心したんだよ」
「……そう、だったんだ?」
「そうだったんだよ」
「もしかして、その体のことってのが、オレが、ミラノを嫌いになる決定的な理由だと思ってるわけ?」
「嫌いになるんじゃなくて、好きじゃなくなるんだよ。それでまた、ワタシと楯のバランスがとれることになるから、楯が決定的に、ワタシを好きじゃなくならないってわかってるもん」
「……なら、どしてそんなこと言い出すかなぁ?」
「だって、楯が殺されちゃったら、全部が無意味になるなる。どんなにガンバって、決心しても、ワタシはもう、一〇〇パーセント独りぼっちってことだよ。グアスタは寿命がもうないない、死んじゃう前にミラーノへ帰してあげたの。だからワタシは日本に来たんだよ、そしたら楯を見つけちゃった」
「……そうだったんだ?」
「楯がワタシを好きでいてくれる内は、甘えちゃうことに決めたんだもん。楯が、ワタシを好きじゃなくなったってガンバるんだもん。ワタシだって、独りぼっちなんか絶対絶対イヤイヤなんだよっ」
! ──ミラノが握る力を強めたわけでもないのに、つないでいる左手に、静電気のような痛みが走った。
それと同時に、何やら、イタリア語らしき言葉がオレの脳裏でも反響する。
おそらく、ミラノの思念が、つないだ手から伝わってきたんだ。
そして思いきり、また手加減ナシにオレを抱き寄せてもくる……。