306 _____ ‐2nd part‐
文字数 1,209文字
「これまでだってっ、どして私を捜さなかった? どして一箇月も、このアタシを放っといたんだぁっ?」
「……だ、だって、さ……」
「そもそもっ、プレゼントはどした? 今日は、今日は、アタシのバースデイなのにっ、あともう少しで十代が終わっちゃう、二度とない女子の貴重な今なんだぞぉ!」
「…………」そんなの、知るかよぉ──。
「何でだ、何でなんだよっ。……アタシがいない内に、何であんなバカでチビで、目つきの悪いド乳ナシと何でつき合ってるっ? ……アタシの方がずっとずっとキレイなのに、ずっとずっと頭イイのにぃ、ずっとずっと有名になったのにっ、このアタシを誰だと思ってんだよ!」
「……くっ……」マズいっ。疲れが出てくるどころか、逆に力が増してる気がぁ。
「だのに……楯はアタシなんかどうだっていいんだ! だからこの世にいなくたっていいんだアタシなんてっ……アタシなんて……」
うわぁっ。もうヤバいっ、オレの全体重ごと持ち上げられそう……。
こいつも絶対におかしい、もう完全に常軌を逸してやがる。このままじゃこっちの体力が続かない……限界も近いぃ──。
「チョッ、待て、待てって。プレゼント、これからスグ何だって買うから。草豪のことも完全な誤解だ。あいつも、セイレネスが好きなだけで、上の、そのビルの二階でやってる僊河青蓮展を観に来ただけ。ヴィーは知らなかったろうけれど、やってんだ今っ」
「……ゥウ~……」
「そ、そのついでに一階のショップで、オレは、日本限定のTシャツとジャケットを買おうとしただけだっ。そのためには、誰と一緒になろうが来るだろ走ってっ」
「……ウ~ゥ……」
「ほらあいつら、先月の初めにミラノたちと公聴会やってたろ? それで決まったヤツが、今もうそこで販売されてんだ、品数も鬼ガチの限定で。だからともあれ来なきゃだろ絶対っ。あとの四人は、ほかに優先する用事があっただけなんだって」
「グゥウ~ッ……」
「……先週だって抱き合ってなんかいない、あいつがヴィーに負けて、特待生になれなかったのが悔しくて、偶偶通りかかったオレに泣きついてただけなんだって。あの時オレが本館へ寄ったのも、ヴィーに会えるかもって思ったからだ。オレは草豪なんかとはつき合ってないっ」
「……
「って……」嘘だろぉ……何でこんな時だけ妙に冴えてるんだよ、ったく──。
「言ってみろっ。あの女じゃないなら、一体、楯は誰とつき合ってんだっ? ほらぁっ、早く言えぇ!」
……お、おいっ? どうして、今度はナイフの切っ先をオレの顔へ向けようとするっ?
「言えぇ~っ! さっさと白状しろっ。ミランだろ? 今サラッと呼び捨てにしたミランなんだろ? えぇっ、そうなんだろっ!」
「ぐぅっ……」
何なんだこいつ……ヤバすぎる、上から体重までかけてきやがってぇ。
この、バンザイを押えつけられた姿勢のままじゃ、やっぱり長くは耐えきれないっ──。
「……だ、だって、さ……」
「そもそもっ、プレゼントはどした? 今日は、今日は、アタシのバースデイなのにっ、あともう少しで十代が終わっちゃう、二度とない女子の貴重な今なんだぞぉ!」
「…………」そんなの、知るかよぉ──。
「何でだ、何でなんだよっ。……アタシがいない内に、何であんなバカでチビで、目つきの悪いド乳ナシと何でつき合ってるっ? ……アタシの方がずっとずっとキレイなのに、ずっとずっと頭イイのにぃ、ずっとずっと有名になったのにっ、このアタシを誰だと思ってんだよ!」
「……くっ……」マズいっ。疲れが出てくるどころか、逆に力が増してる気がぁ。
「だのに……楯はアタシなんかどうだっていいんだ! だからこの世にいなくたっていいんだアタシなんてっ……アタシなんて……」
うわぁっ。もうヤバいっ、オレの全体重ごと持ち上げられそう……。
こいつも絶対におかしい、もう完全に常軌を逸してやがる。このままじゃこっちの体力が続かない……限界も近いぃ──。
「チョッ、待て、待てって。プレゼント、これからスグ何だって買うから。草豪のことも完全な誤解だ。あいつも、セイレネスが好きなだけで、上の、そのビルの二階でやってる僊河青蓮展を観に来ただけ。ヴィーは知らなかったろうけれど、やってんだ今っ」
「……ゥウ~……」
「そ、そのついでに一階のショップで、オレは、日本限定のTシャツとジャケットを買おうとしただけだっ。そのためには、誰と一緒になろうが来るだろ走ってっ」
「……ウ~ゥ……」
「ほらあいつら、先月の初めにミラノたちと公聴会やってたろ? それで決まったヤツが、今もうそこで販売されてんだ、品数も鬼ガチの限定で。だからともあれ来なきゃだろ絶対っ。あとの四人は、ほかに優先する用事があっただけなんだって」
「グゥウ~ッ……」
「……先週だって抱き合ってなんかいない、あいつがヴィーに負けて、特待生になれなかったのが悔しくて、偶偶通りかかったオレに泣きついてただけなんだって。あの時オレが本館へ寄ったのも、ヴィーに会えるかもって思ったからだ。オレは草豪なんかとはつき合ってないっ」
「……
とは
って何よ! ほかに誰かいるわけっ?」「って……」嘘だろぉ……何でこんな時だけ妙に冴えてるんだよ、ったく──。
「言ってみろっ。あの女じゃないなら、一体、楯は誰とつき合ってんだっ? ほらぁっ、早く言えぇ!」
……お、おいっ? どうして、今度はナイフの切っ先をオレの顔へ向けようとするっ?
「言えぇ~っ! さっさと白状しろっ。ミランだろ? 今サラッと呼び捨てにしたミランなんだろ? えぇっ、そうなんだろっ!」
「ぐぅっ……」
何なんだこいつ……ヤバすぎる、上から体重までかけてきやがってぇ。
この、バンザイを押えつけられた姿勢のままじゃ、やっぱり長くは耐えきれないっ──。