私鉄のロコ

文字数 1,041文字

 若い頃からずっと疑問に思ってきたことに、

「私鉄の車両は、なぜ国鉄車両よりも小さいのか?」

 というのがある。裏返せば、

「国鉄の車両は、なぜあんなにも大きいのか」

 ということでもありますな。
 例えば機関車でも、一般に私鉄のロコは国鉄ロコよりも小型で、西武鉄道のE851や、胆振縦貫鉄道のD51は例外といえるじゃないですか。
 DLなら、私鉄で用いられたのはせいぜいDD13かDE10クラスであり、DD51クラスを入線させた会社はない。
 SLでも、C11や9600、4110が私鉄の最大クラスだ。
(4110というのはまたでかい車だが、これも例外に近いんじゃね?)

 機関車だけでなく、電車でも似たようなことがある。
 国鉄並の20メートル車を走らせている私鉄は、関西では近鉄と南海、近江鉄道しかないからね。
 関西のほとんどの会社は19メートル車ばかり。
 山陽電鉄にもツリカケ時代には20メートル車が存在したが、その後はすべて19メートル車に統一してしまった。
 電車の全長はともかく、機関車については、

「なぜ三岐鉄道はE851を導入しなかったのか」

 を考えればヒントになるかもしれない。
 西武鉄道でE851が役目を終えた後、三岐鉄道に入線させるという話があったそうだ。
 三岐鉄道はセメント輸送のためにEDクラスのELを持ち、輸送量が多いので、重連で貨物列車をけん引している。
 そういう意味でE851を持て余すことはなさそうだが、なぜ入線が実現しなかったのかというと、

「機関区にあるジャッキの性能が足りなくて、EFクラスの車体を持ち上げることができない」

 からだと聞いたことがある。
(もちろんEDクラスなら問題なく持ち上げ、分解整備ができる)

 小坂鉄道も重量級の貨物列車を走らせていたが、ここも中型機、つまりDD13を三重連させていただけで、DD51なんぞ買わなかった。
 結論としましては、

(国鉄の考え方)
本線上を高速でかっ飛ばす長距離列車をけん引するのであるから、機関車は充分な大馬力、およびサイズを備えているべきだ。

(私鉄の考え方)
長距離ではなく、それほど高速でもないのだから、中型機の重連で済むのならそれで充分。

 ということですかね。
 もう一つ思いついたのは、私鉄のEDクラスは、電車と同じモーターを用いているのではなかろうかということ。
 だって台車が、電車と同じDT13とかDT10だったりするもん。
 もしそうなら、私鉄EDクラスのメンテは、電車のメンテと難易度に大差ないともいえるかも。

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